ボークスのガレージキット(ガレキ)「ちびキャラグミン エトナ」を買いました。
キャラグミンは株式会社ボークスが展開する商品ブランドです。
今回はこのキットの製作と完成レビューをしていきましょう。
前述の通りキャラグミンは色分けレジンで作られているため無塗装でもいい感じに仕上がりますが、今回僕は全塗装で作ってみましたよ!
ちなみに作者は初のガレージキットフィギュアなのですが、結論からいうととても組み立てやすかったです!
ガレキ初心者どころか初挑戦の僕でも簡単に組めました
それでは製作レビュースタートです。
可愛い箱から出てきたものは
まずは透明の箱の中身をガラガラ…
キレイにパーツが袋詰めされています。
同梱の取説はフルカラーで丁寧に組立方法が書かれておりメーカーさんの「ガレキは難しくなく楽しいよ」と伝えたい感じがひしひしと伝わります。
いいですね。こういう初心者を大事にされる模型メーカーさんは末永く存続して頂きたいところです。
パーツ確認と洗浄
まずは先ほどの梱包から部品を取り出して…
取説に書かれたパーツリストを眺めて付属品に不足がないか確認します。
キャラグミンは購入してから2週間以内はパーツ不足と不良に対しての補償を行ってくれるので、購入後すぐには作らなくてもパーツの確認はやっておきましょう。
パーツに問題がなれけば部品を洗浄します。
レジンキットは型から部品を抜くときに離型剤という油脂を使用していますのでそのまま組み立てるとヌルヌルしますし塗装しても塗料が食いつきません。
洗浄は中性洗剤と歯ブラシでゴシゴシしても良いのですが、レジンキットに使われる離型剤は結構キツイので下記のようなクリーナーを使うのがよいでしょう。
使い方は吹き付けて放置してから流すだけで簡単。髪の毛などの奥まった部品は歯ブラシで軽く磨いてあげるとなお良しです。
ご機嫌クリーナーの油分除去能力は中性洗剤より高いので、本当にツルツルになりますよ。
部品の成型と仮組
原型師さんの造形美を味わいながらパーツのパーティングライン(型の分割線)をヤスリで処理していきます。
ちなみに一般的なガレージキットは表面に気泡や成型不良があったりするものですが、キャラグミンはそういう箇所はほとんどありません。素晴らしい造形と成型です。成型色もキレイ。
ヤスリでパーツのフチにある小さなバリもキレイにしていきましょう。
レジンはプラモデルに使われるスチロール樹脂よりかなり硬いので、切削作業に使うヤスリは240~320番程度で初めて構いません。
ガレージキットフィギュアは曲面が多いので紙やすりよりもスポンジヤスリの方が活躍したりします。
下記の神ヤスセットならガレキの表面処理に使える番手がセットになっていておすすめです。
今回はほぼ神ヤスで表面処理しました
パーティングラインを処理できたら塗料の食いつきを良くするため神ヤス(#600程度)などのスポンジヤスリを使って全体を磨き込んでおきます(この作業は足付けと言います)
仮組しましょう
接着作業は最後に行うので、まずは両面テープやマスキングテープで仮組してみます。
パーツはきちんと隙間なくハマるか、浮きや合わない場所はないかなどを探り、問題があればナイフやヤスリで修正します。といってもキャラグミンの場合そのような製造の問題点はほぼクリアーされているようで、特に気になる点はありませんでした。
ちなみに普通のレジンキットの場合「軸打ち」と呼ばれるフィギュアの強度アップと接着のために金属棒を埋め込む作業が必要だったりしますが、キャラグミンの場合上記写真のように接着部ののりしろが大きく強度が高いので基本的に必要ありません。
仮組と表面処理ができたらいったんバラシて再洗浄。塗装に入っていきましょう!(仮組完成写真を撮っていなくてすいません…)
塗装します
キャラグミンはガンプラの「いろプラ」のように色のついたレジンが特徴ですが、もちろん模型用塗料で塗装も可能です。
ガレキは初めてですがFAガールでフィギュアに使える塗装技法は学んでいるので全塗装でいきますよ!
ボークスの塗装指示はファレホカラーなので注意
取説に記載されている塗装色は同社が取り扱っているファレホカラー(スペイン生まれの水性塗料)で書かれており、正直名前からはどんな色味か想像できません(笑)
ファレホを使わずラッカー塗料等で塗装する場合は取説の完成見本や元キャラクターの設定画などから色味を参考にすると良いでしょう。
僕はラッカーとエナメル塗料で塗装しました。
ちなみに本記事の塗装はすべてエアブラシで行っています。ガレキをこれから本格的に始めたい方にはあって困らないツールなので、お持ちでない方は下記記事もお読みください。
塗装前にはプライマーを吹きましょう
レジンは塗料の食いつきがあまりよくない素材です。
そのため事前にヤスリなどでしっかり足付けをするのですが、さらに塗料をしっかりと定着させるために塗装前にはプライマーを吹いておきましょう。
プライマーも色々な種類がありフィギュア界隈でも好みが分かれているようですが、僕はプラモでも使っているガイアのマルチプライマーを使いました。
フィニッシャーの方にもユーザーは多く、レジンにもばっちり食いつきます。
服の黒塗装
エトナの悪魔らしい服装を再現するために黒の部分は光沢で塗ってみました。
- 下地:ガイア グレーサフ
- 服:ガイア Exブラック + クレオス パープル
- トップコート:ガイアExクリアー
- 服金具:エナメル クロームシルバー筆塗り
黒自体は真っ黒にはせず10%ほど紫を加えてた「ナス紺ブルー」にしてみました。
これは真っ黒で塗るとフィギュアとしてはすこしクドくなりすぎるのを防ぐためと、エトナの設定画では濃いめのパープルで描写されていることが多いからです。
エナメル質っぽい服なので最後にExクリアーでテロテロにコートしています。
羽、しっぽ、腕輪などの塗装
- 本体:ガンダムカラー MSシャアレッド + パープル
- 腕輪の突起:エナメル ブラック 筆塗り
キットの指示だと腕輪の突起はシルバー下地のクリアフィニッシュとなっていますが、ゲーム設定画だと黒に見えたのでエナメル黒で筆塗りしています。
腰のプリニー
エトナにこき使われるプリニー。ちゃんと腰についてます。
- 下地:白サフ(目の部分をマスキングして残す)
- 本体:ガイア コバルトブルー
- くちばし:サンシャインイエロー
くちばしの部分まで別パーツになっているのはさすがキャラグミンといった感じですね。
精度良くピタっと合わさるあたりも感動もの。
ベルト、ドクロ、プリニーのお腹
- 本体:ガイア サーフェイサー EVO ホワイト
- ドクロの目など:タミヤ エナメル ブラック 筆塗り
- ベルトのバックル:羽の塗装でつかったパープル
ベルトのバックルは筆塗りです…ってよく見るとベルトの穴に差す棒、わざわざ筆で描いたのですが向きが逆ですねw(完成するまで気づかなかったので修正できず…)
こういうミスはよくします(笑)
髪の毛
髪の毛とお肌はフィギュアの命!グラデで塗装してみました。
- 下地:白サフ
- 髪の毛シャドウ:MSシャアレッド+クリアーレッド
- グラデーションその1:クリアーオレンジ
- グラデーションその2:クリアーレッド
まず全体を白サフで染め、髪の毛のうねりや奥まった部分、つむじの交差部などをなぞるようにシャドウ色を吹きます。
仕上がったら全体をクリアーオレンジで塗装。光の当たる部分はうっすらホワイトを残す感じでハイライトにします。
最後にクリアーレッドを髪の先端や陰部などに吹いて暗部のグラデとし、全体にふわっと吹いて色味を整えます。
仮に塗装が失敗してもレジンキットならシンナーで洗って塗料を剥離すれば何度でもやり直しが可能です(下地からやり直しになりますが…)
お肌の塗装
お肌もフィニッシャーの腕の見せどころですね。
- 下地:白サフ
- 肌シャドウ:フレームアームズ・ガールカラー シャドウフレッシュ
- 肌色:ガイア ノーツフレッシュ + ノーツフレッシュ オレンジ + Exクリアー
白サフに染めた後にシャドウ色を吹き、Exクリアーと薄めに希釈したフレッシュカラーでグラデすることでフィギュアで人気のサフレス肌塗装を疑似再現しています。
この肌塗装についてはいずれもう少し詳しく記事にしたいなぁと考えておりますので、少々お待ちください。
塗装後はエナメル塗料のブラックとレッド、レッドブラウンで瞳の枠と眉毛を書いておきました。瞳の塗装は良い筆必須なので下記のような良いものを買ってください。
トップコート
この段階で肌や髪の毛、羽やプリニーなどはつや消しでトップコートしておきます。
お肌と髪のトップコート
クレオスのスーパースムースクリアー一択。仕上がりの質感が違います!
羽、プリニー、ベルトなどのトップコート
こちらはExフラットクリアーでつや消しにしすぎない程度にしておきました。
服は光沢クリアーコートで仕上げていますのでトップコートは行いません。
これにて塗装完了です。
楽しい組み立てタイムに入っていきましょう!
本体の組み立て
ガレージキットの組み立てにはいろいろな接着剤が使えますが、キャラグミンの場合はパーツどうしの隙間も少なくピッタリ合うので中粘度の瞬間接着剤が1本あればほぼOKです。
こちらの高強度タイプの瞬間接着剤は接着強度が高く中粘度で大変使いやすくオススメです↓
僕がブログ内でも多用している同シリーズの低粘速硬タイプは流動性が高すぎて使いにくいですね。
下半身の組み立て
まぁもくもくと接着するだけですが…(笑)
仮組の段階でお気づきだと思いますが、キャラグミンは一般のガレージキットにくらべて軸部が太く長いのでしっかりとした接着しろがあり瞬着だけでもかなりがっちり食いつきます。
接着前に軸と穴に付いた塗料をラッカー溶剤を塗った綿棒などで拭き取っておけばさらに強度と精度がアップします!
この組み立ての瞬間は塗装後のガンプラを組み立てる時の楽しさと同じですね(笑)
ベルトやスカートなどは接着前にパーツを合わせて部品同士の接触部=接着剤塗布面を確認しておきましょう。
プリニーも接着。
瞬着は溢れないようにノズルを使って点付けするか下記のグルーアプリケーターを使うと良いでしょう。適当に塗布すると大体はみ出て汚くなります(経験談w)。
上半身の組み立て
接着剤がはみ出しやすい部品が多いので注意。ほんのちょっと点付けするだけで十分です。
組み上がりました。塗装してもパーツの合いは良かったです。
すごいなぁキャラグミン。
脚輪(?)と同じで腕輪にはも左右がありますがちゃんと取り付けられる組み合わせで揃えないと組めないようになっています。
こういった配慮も初心者にはうれしいですね。
上下ができました。
合体!
すでにちゃんとエトナしてる!(当たり前か)
頭の組み立て
頭は組立前に瞳シールを貼っておきましょう。
ちびキャラグミンの瞳は水転写デカールではなくシールとなっています。貼り付けの際は油分を付けないように一きめもできれば一発で決めましょう!
なぜ水転写ではないのか…(ちびキャラグミンの目ははほとんどがシールみたいです)
頬にはウェザリングマスターHから「ピーチ」を使って頬に赤みを追加しておきました。
ウェザリングマスターピーチは美少女プラモ、フィギュアモデラー必携です。
ちなみにエトナの首はレジン製の軸受けで完成後に首が固定モデルになるタイプと、ポリキャップを入れて首が左右に動かせるようにできるタイプのコンパチ式です。
僕はポリキャップを選んでみました。そちらのほうがシビアな首の位置決めが不要になるので完成後に変な方向を向いていた…なんてミスもありませんので(笑)
そのままだと少し首が緩いので、軸を瞬着で太らせるなどの対策をおすすめします。
というわけで完成です~!
完成!全塗装ちびキャラグミン エトナ!
できました~
そのまま組み立てても楽しいし見栄えのよいキャラグミンですが、塗装するとさらに良くなりますね!
後ろ姿。プリニーもちゃんと再現されていてキュート。
一応ちび(デフォルメ)キャラ扱いですが、ディスガイアはキャラデザもコミカルでゲーム中もデフォルメされたキャラ描写なのでこの見た目でも全く違和感ありませんね。
横から見ても凛々しい。
フィギュアを色んな角度から眺めるのはコレクターの楽しみの一つですが、組み立てまで楽しめてしまうのはモデラーの特権です。
グラデした頭部も良い感じ。
重いパーツが集中する頭部ですが、部品の接着しろもがっちりあるので仕上がりに不安はありません。
キャラグミンは軸打ちや細かい表面処理などが不要なので、ガレキ初心者さんだけでなく塗装に集中したいモデラーさんにもぴったりですね。
ガレキ初挑戦でも心配になることはありませんでした
光沢仕上げにした服はどうでしょう?
こうやってツヤコントロールでメリハリをつけてあげれば見た目がとってもよくなります。
首が振れるポリキャップ式を選択したので、こういうポーズも取れます。
なんかこのポーズとプロポーションを見て思い出しましたが昔「ピンキーストリート」というフィギュア流行ってましたよね。
って調べてみたら今度15周年としてワンピースのナミとコラボして復活するらしいです(笑)なんてタイムリー…
ローキーぎみに撮っても楽しい。フィギュアは見て撮って飾ってナンボですが作ればもっと楽しい!
完成したフィギュアは台座に固定しましょう。
キットの足裏には台座固定用の穴を開けるガイドがあるので真鍮線を打ち込んで台座に固定しましょう。
僕は台座にセリアで売っているコルク貼りコースターを使いました。板の部分はMDF(という木材)なので瞬着で固定できます。
100均台座ですがいい感じでしょう?
台に乗せてあげるとフィギュアはまた映えますね!
というわけでちびキャラグミン エトナの製作、完成レビューでした!
総評
- 徹底してガレージキット初心者に配慮した設計
- 分かりやすい説明書
- 表面処理が不要なほど精度の高い成型
- 色再現の高いレジン
- 塗装派にも配慮してあるパーツ分割
- 説明書の塗装指示がファレホしかない
- 瞳デカールがシール
総合評価…
無塗装派から塗装派、ガレキ初心者からベテランまで誰が作っても楽しめる。
全高15cm程度とコレクションにもピッタリのサイズなので、みなさまのおうちにも一体いかがでしょう?
ゲームの雰囲気満点のエトナが立体物で楽しめますよ!ではでは!