カーモデルでは必須の作業ですし、近年ではガンプラなどのキャラクターモデルでも流行っているメタリック塗装。
やってみたけど表面が荒れたり色が偏ったりなんだかイマイチ上手くいかない…
今回はそんなお悩みを抱えるあなたに、日々メタリック塗装で消耗しているカーモデラーがこっそりやっている美しいメタリック塗装のコツを教えちゃいます。
タイトルの通り今回はエアブラシで塗装する場合の話ですよ
メタリック塗装のコツ
これまで色々とメタリックを塗ってきて自分なりに得たコツは以下の通りです。
塗料の希釈はシャバシャバに
メタリック塗装は塗装面の粒子感が仕上がりに影響します。
希釈が濃い(ミストに含まれるメタリック粒子が多い)場合塗装面がザラついたり、妙なきらめきが出てスケール感を失ってしまいます。
目安としては4~5倍希釈(グラデーション塗装に使う程度に希釈)とかなりシャバシャバめがお勧めです。
希釈倍率は元の塗料の状態で変化するので参考程度にしてくださいね。
シャバシャバにすることでエアブラシから出る塗料に含まれる溶剤分が多くなり、対象物に付着するまでに乾いてしまうということがなくなります。これにより塗料は塗装面に付着した後から乾燥が始まります。
そうすることで粒子の向きが均一になる(らしいです)時間を与えることができ、ザラツキがなく美しい金属光沢を得ることができます。
ただし塗料の飛び散りやタレが起きやすく塗るのが難しいので、下記のようにエアブラシセッティングも見直してください。
圧力の設定は低圧!エアブラシの口径は0.5mmを使う!
圧力が強く希釈が薄いと吹き付けた塗料が飛び散ってしまい、流れたメタリックはそのまま後になり重ね塗りしても消えません。
圧力は低めに(僕の場合は0.04MPaくらい)に設定して薄い塗料が流れないようにします。
また使用するエアブラシは0.5mmがおすすめ。
メタリック粒子でもスムーズに塗れますし、ミストが大面積に飛びますので低圧シャバシャバでも広い面積に塗装可能です。
僕はクレオスの0.5mmを使用しています。
エアブラシのニードルは開け気味、トリガーは引きっぱなし、対象物から離して吹く!
これが最大のコツなのですが、まず低圧でシャバシャバですがブラシは開けて吹きます。
そのほうが大面積を満遍なく塗ることができます。
そして塗装中はエアブラシのトリガーを引きっぱなしで戻しません。
これはブラシの圧力を常に一定に保ち、ミストの出具合にばらつきが出ないようにするためです。
特に吹き始めと吹き終わりはエアブラシの圧が安定せずブワっと出てまだらになってしまいやすいのでご注意を。
吹き始めと吹き終わりの塗料はボディにかからないように塗装すればOKです。
そして最後にとにかくボディから離して吹いてください。
低圧シャバシャバブラシ開放の状態はボディに近づけると簡単に塗りムラになります。
20cmほど離してじんわりじっくりと塗装していきましょう!
こうすると非常に美しくギラギラした粒子感のない塗装に仕上がってくれます。
常にエアブラシを動かし、同じ面に吹き続けない
トリガーを引きっぱなしで塗装している間は、絶えず手を振るようにしてエアブラシを動かし同じ面に塗料が当たり続けないようにします。
シャバシャバに希釈している状態で同じ面に吹き付け続けると途端に塗りムラになったり塗料が飛び散るように流れてしまいます(ミルククラウンとも言う)。
こうなったら一旦メタリック塗料をヤスリ等で剥がさないとその部分が最後まで塗りムラで仕上がってしまうので注意してください。
最近はYoutubeなどでうまいモデラーさんの塗装を見ることもできますが、特にカーモデルの塗装が上手い方は塗装中常に手を動かして塗っていらっしゃる印象です。
溶剤はメタリック専用塗料か各社から出ている速乾性のものがおすすめ
巷では色々な溶剤が取り上げられていますが、メタリック塗装に関しては速乾性のものがおすすめです。
昔はメタリック塗装といえばリターダー入りの溶剤が推奨されていましたが最近は速乾性溶剤がトレンドです。
個人的な経験からしても塗料は塗面に付着するまでは乾燥しないほうがいですが、塗面に付着した後は速く乾くほうがキレイで失敗の少ない塗装面を得られると思っています。
速乾性溶剤は各社から色々発売されていますが、僕がおすすめするのは断然ガイアノーツのプロユースシンナーです。
一般的な模型用溶剤より強い有機溶剤が含まれており、速乾性だけでなく塗料の食いつきまでアップするシンナーです。
その強い溶剤成分は塗料の粒子を細かく攪拌し塗装面に拡散させることができるため、メタリック粒子の流動性に良好に作用し、上手く塗装出来れば大変美しい塗装面を作ることができます。
さらにその速乾性からパーツに溶剤分が浸透する(割れの発生源になる)前に乾燥するため、溶剤に弱いABSパーツの塗装割れ対策にも使える万能な塗料です。
反面その速乾性から(サフなど粒子の荒いものは吹いたそばから乾燥します)上手く塗れないとメタリック塗装が難しいなどともいわれますが、そこは先ほど紹介したシャバシャバ希釈を使えば問題ありません。
模型店での入手性も良く1000mlの大容量で売られておりコスパも良い非常におすすめの塗料です。
ちなみに当ブログの模型はすべてプロユースシンナーで塗っています!
最近は某社の超高いシンナーが光沢塗装にも最高!ともてはやされており品切れなことも多いですが、正直言ってシンナーは消耗品なので、いつでも買えて気兼ねなく使えるものが一番です(ゴニョゴニョw)
高いシンナーを買うお金で安いシンナーをより多く買って塗装練習するほうが断然上手くなりますよ!
ベテランオートモデラーの技を取り入れよう
北澤志朗先生というカーモデル界では超有名なフィニッシャーの方がいるのですが、その方がボディを前述のような感じで塗っておられました。
厳密に前述のように塗れとは発言されてはいませんが、自分は先生の塗装方法と僕なりの経験でこのような手段で今のところ落ち着いています。
ちなみに先生の素晴らしい技法の数々はこちらのDVDですべて解説して下さっているので、これさえ買っていただければ僕のブログは読まなくても大丈夫です。(それでええんかw)
ちなみに先生は先ほど紹介したプロユースシンナーよりさらに強くより速乾の工業用シンナーを使用されているようです。
なによりも先生が大変楽しそうにカーモデルを作成されていらっしゃるのが見ている側も楽しくなってしまう好ポイントです。
上手く塗れるようになると上記の写真のように、スケール感を損なうメタリックの粒子感やアレがない、均一で美しい塗装面を作ることができるようになりますよ!
ちゃんと撮影してあげればそれはもうカッコよく見せることができちゃいます!
この塗装方法はキャラクターモデルにも使えます
本記事で書いた美しいメタリック塗装方法はガンプラなどのキャラクターモデルにも応用できます。
この百式もゴールドは上記の塗装方法で仕上げたものです。
自分で言うのもなんですが正直このクオリティでメタリックを塗っているガンプラは中々見かけませんよ(笑)
ハロだって細かい粒子感でテロテロです。
これはタミヤの缶スプレーから中身を取り出しエアブラシで塗っています。
このハロはクリアーコート研ぎだしで仕上げていますので、光沢感には研ぎ技もプラスされていますが…(ちなみに上の百式はゴールド塗装後にクリアーを吹きっぱなしです)
これらもすべて先ほどの手法とプロユースシンナーで塗装しています。
セオリーがつかめればジャンルは関係なく何でも塗れますので、なにはともあれ練習あるのみ!
練習して色々ワザを身に着けてみてください!
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