ハセガワからちょこちょこ再販されているF3000シリーズ。
はいパッケージがカッコいいですね。マシンももちろんカッコいいです。
あの下着メーカーのワコールや穴吹工務店がスポンサーだなんて、全日本F3000選手権開催されていた1980年代後半から90年代前半はバブル景気もありモータースポーツが超盛んだったんですね。
Cカーなんてフロムエー(バイト雑誌です)がスポンサーだったりしたもんな。
1987年生まれでその後の不景気と抑圧された時代、自動車メーカーからどんどんスポーティカーが消滅していくのを横目に育った世代としては泣けてきます。
いやそんな話はどうでもいいんですが、本キットは2023年にTwitter(現X)で開催されていたカーモデル無改造コンペに出すために製作しました。
ルールは無改造のストレート組であること。ただし組み立てに必要なパーツの調整はOKとのことでした。
箱を開けると約120点程度の部品点数とカーモデルにしては少なめです。
それほど値段が高くなかったことと、部品点数が少なくてすぐ組めそうだったこと、穴吹工務店のデカールが貼りたかったwことなどがチョイスの理由でしたが。
これで参加しまーすとTwitterで宣言したら、フォロワーのベテランモデラーさんたちが一斉に「マジかよw」みたいな反応をくださるわけですよ。
どうやらこのキット…箱は新品でも中身は35年前、そして当時でもかなりの難物キットだったようです。
さてということで今回は無改造でハセガワの地獄を楽しもうという企画です(笑)。
F3000シリーズはいまでもハセガワから当時のまま続々再販されやがるので、ぜひ参考にして組み立ててくださいね(笑)
ちなみにデカールが丸裸で箱の中に放り込まれているのがワイルドかつ泣かせるハセガワのプラモデルでしたが、最近のキットはちゃんと袋にデカールが入るようになりました。
またデカール丸裸で入ってるよオウフwww的なハセガワモデラーあるあるで楽しめないのは少し残念です(デカールが守られるほうが大事だろ)。
ハセガワ ローラ T90-50 仮組編
いつもならささっとパーツの合いを確認して、だいたい何もすることなく終わるカーモデルですが、今回は一味違いました(笑)
エンジン
本マシンはコスワースDFVではなく無限V8を搭載しております。
キットはエンジンからミッションまでの大部分をモナカで再現…
ですがパーツの精度が低く全く合わず、隙間も大きく出てしまいます。
どうやらパーツが若干反っている模様。
2パーツ貼り合わせでも結構難易度高めですね(笑)。
テールランプに大きな合わせ目が出ますし、ウィングのブラケットには現代では見かけないレベルのバリが出ています。
まだデフケース下面に大きな段差が出ています。これではシャーシに水平に設置できなさそう…。
想像以上に手ごわいですぞこいつ。
さて、パーツの状態も確認したところでパーツの貼り合わせ面をヤスリがけして合いを調整していきます。
削りすぎるとそれはそれで合いが悪くなるので慎重に。
エンジンサイドの部品は単純貼り合わせですがめちゃくちゃ精度が悪いので裏面を削って合うように調整しましょう。
特にエンジンとミッションの間に差し込むE9パーツは、そのままだと全く入らないのでヤスリでゴリゴリ削って薄くしてあげる必要があります(笑)
サイドのパネルが無事に組み込めても、エンジンパーツとの段差が大きくそのままだとヘッドカバーが浮いてしまいます。これでは圧縮が抜けて走ってくれません(笑)
サイドパネルとエンジンを組んだ状態で3パーツまとめてヤスリがけをして、ヘッドカバー接着面をフラットに仕上げておきましょう。
ヘッドカバーを合わせてみました。
キットのままだとヘッドカバーとエンジンにばっくり隙間が開きますが、しっかりと調整してあげると隙間が無くなり模型の精密感がグッと上がります。
各部の調整が終わったら瞬間接着剤で隙間を埋めながら合わせ目を処理して作業完了です。
シャーシ
裏面はヒケがわりとありますが、完成すればほとんど見えないので、ヒケのせいで反ってしまっているフチの部分をヤスリがけして平らにならすのみとしました。
エンジンブロックを置いてみます。
先ほどのエンジン組み立ての工程で確認していた段差を慣らしながらエンジンが水平に設置できるように調整します。
完成後に丸見えになる押し出しピン跡があるので瞬間着剤で埋めましょう。
ヤスリがけする際に塗り分けガイドとなっているモールドを削って消してしまわないように気を付けてください。
接着剤はアロンアルファ耐衝撃が超絶おすすめ↓。盛り付けやすく削りやすく、合わせ目消しからヒケ埋めまでなんでもできます。
乾燥が遅いので硬化促進剤は必須です。
サスアーム、足回り
各パーツはパーティングラインをしっかり処理し、サスアームは押し出しピン跡を瞬間接着剤で埋めます。
1/24ということもありサスアームは非常に細いです。
またハセガワのプラは基本的に粘り気がないためちょっとの負荷でポキっと折れてしまいます。
ヤスリがけの際は慎重に行いましょう!
タミヤのF1プラモのサスアームは粘り気のあるABS成型だったりするんですね。それに1/20なのでサスアームも太く頑丈です。
F1プラモってなんで1/20なんだろう…と思った時もありますが、強度を出そうと思ったらそれくらいのスケールにしないと持たないのかもしれませんね。
フロントサスアームを処理する時はランナーをカットしてパーツが繋がった状態でパーティングラインを消すと折れにくいです。
パーティングラインが消したらランナーを取り除きましょう。押し出しピン跡も消してくださいね。
ちなみにさすがにこのパーツは付くだろうと思って不真面目に仮組していたら後でエライ目に合うのであった…。
ホイール
古いキットですがホイールの造形は悪くないです。SSRのホイールのようですね。
ボディ
ボディも苦悩の連発ですわよ!
カウルのパーツです。フォーミュラーキットはやっぱりワクワクしますね。
はい。まぁすっごいバリがあるんですが。
コクピット横のバリなんてなんかそういうエアロパーツかと思ったわ!
丁寧に取り除いで処理しましょう。
コクピットの部分は別パーツですが、まさしく別パーツと呼ぶにふさわしい強烈な段差が出ます(笑)
個の段差と合わせ目はすべて埋まっているのが正解です。最初は実車もこういう分割がされているのかと思いましたよ(笑)
また、このコクピット周りのパーツはモノコック側の形状が悪くそのままだとハマりませんから、モノコックの角を削って入るように調整しましょう。
段差をヤスリで慣らして滑らかに繋がるように調整しています。
接着してしまうとどこまで削ってよいのかわかりにくいので、ある程度は接着前に追い込んでいます。
リアカウルを合わせてみましたが全然合いません(笑)どないなっとんねんこのキットw
完成見本は綺麗に隙間が埋まっていますし、本キットの場合はワコールロゴが分割ラインにまたがるためうまく処理してやらねばなりません。
各パーツの合わせ目と段差を消しつつ、カウルが隙間なく合うようにめちゃくちゃ削りました。
もうパーツの形状が変わるくらい削り込んでいます(笑)
ついでにノーズのパネルラインはスジボリを深く彫りなおしています。
簡単に描いていますが、ここの削り作業が一番時間を食い、手間のかかった部分です。
ちょっと削ってはパーツを合わせ、入念に処理しておきましょう。
冒頭に無改造コンペ用に出したと書きましたが、もはや改造レベルで削っています(笑)運営様に問い合わせたらこのキットは削らないと無理だからwと余裕のOKを貰えて一安心(笑)
ノーズサイドのパネルラインもしっかりと彫りなおしておきましょう。
さてシャーシにカウルを乗せてみましょう。先ほどゴリゴリカウルを調整したのでちゃんと隙間なく合うようになっています。
ノーズも取り付けてみましたがこちらも大きめの段差が出ます。ヤスリがけをして段差を取っておきましょう。
サイドポンツーンのダクトもどこに接着すればいいのかわからないレベルでパーツの合いが悪いので、パッケージの完成見本を参考に位置決めしました(笑)
隙間にはガッツリ瞬着を盛り付けてパーツを繋ぎましょう。
前後ウィング
ウィングはパーツのソリこそ少なめですが、ヒケと押し出しピン跡がたくさんあるので瞬着とヤスリを駆使して丁寧に処理していきます。
またフロントウィングのサイドはスキッドプレート?の塗り分けが必要なのでスジボリを入れて別パーツぽっく彫り込んでいます。
ロールバー
ロールバーにはサイドの穴を埋めろという指示があります。ハセガワキットに慣れていないと見逃しやすい指示です。
穴を埋める方法はいくつかありますが、今回のように貫通している穴はプラ棒を使うのが簡単。
いったん2mmのドリルで穴を拡大してから2mmプラ棒を付きして瞬着でガッチリ固定してあげると綺麗に埋められます。
またロールバーは竹割2分割のパーツですが、接着面積が小さいため合わせ目が裂けやすいので0.3mmの真鍮線を仕込んで補強しておきました。段違いで強度が上がります。
仮組と仕込みでこんなに手間がかかるプラモは初めてです(笑)
ということで無事全パーツの処理を終えましたので今回の仮組編は終了です。
部品はほぼ全てなにかしらの調整が必要ですが、点数は少ないので割と気軽に楽しめます。
実際は仮組の見通しが甘く、取り付け確認しなかった部品がこのあと様々な部分で悪さをするのですが、それは以降の製作記のお楽しみ(笑)
令和でも容赦なく高難易度のキットをそのままリリースするハセガワよ…と言いたい気もしますが、こういうちゃんと工作をしないと組めないキットを組むというのはモデラーのスキル向上にはめちゃくちゃ効くので、機会があればぜひ作ってみることをおすすめしますよ。
いろいろツッコミを入れてはいますが、自分のスキルが試されているようにも感じてめちゃくちゃ面白いキットです。
モデラーならキットに文句を言う前に手を動かす。手を動かした結果なんでこうなってんのと激しく突っ込むのはOKというのが僕の持論。
オートモデラーはキット製作の辛さや思い出を楽しくシェアしてナンボですからね。
引き続き笑いながらツッコミを入れて楽しく作っていきましょう。
次回もお楽しみに!
次回は塗装編!
次回は塗装に入っていきましょう!よーくパーツを洗浄してくださいね。
本製作記に役立つ当ブログ記事一覧
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