タミヤのカーモデル 1/24 スポーツカーシリーズ 日産 フェアレディZ ヘリテージエディションを買ってきました!
カーモデル自体は年々精度や分割が良くなり作りやすくなっていますが実車のデザインが複雑化が進む昨今、プラモデル化されたカーモデルも同様に複雑になってきて、結局手間や難易度は若干昔より上がっているかも…、と思うこの頃。
そんな中、タミヤから発売されたフェアレディZ ヘリテージエディション。
こちらは2009年に発売された通常版のZ34に後期型フロントバンパーとデカールを追加し、実車で限定発売されたヘリテージエディション仕様のプラモデルとなっています。
つまりキット自体は実車がそれほど複雑ではなかった時代のもので、部品点数も少なく組み立てやすさも抜群。
ということで今回はこのZ34ヘリテージエディションを使ってカーモデルの作り方の基本を紹介していきましょう!
いやぁ昨今はガンプラもスケールモデルも部品がぎっしりで箱を開けると「うっ」となりがちですが、これくらいの部品点数や小さめの箱の大きさはなんかもうホッとしますね…(笑)
詳しいランナーや取扱説明書はプラモデル通販サイト「ホビーサーチ」さんで見れますので、内容が気になる方は下記ボタンからサイトへアクセスしてみてください。
ホイールはメッキ仕上げ、キットでは使わないリアスポイラーなども付属しますので、後期型のノーマル版で製作することも可能です!
カーモデルを買ったらまず仮組とチェック!
ということで早速Z34を使ったカーモデル製作Howto記事を初めて行きましょう!
第1回目はキットの仮組です。
仮組をする理由
年々精度が向上し仮組は不要と言っても良いキットが出てきているカーモデルですが、仮組の現代でも重要な作業の一つです。
- パーツの合いや組み立てにくいところが事前にわかる
- 接着する部分や組み立ての順序を確認できる
- 仮に段差や精度が発生する場合、どこを修正すればいいか検討ができる
- ボディのはめ込みなど、塗装後に失敗すると傷がつくような作業が事前に練習できる
上記のように仮組のメリットはたくさんありますので、いきなり部品を接着してしまわず、組み立て前には必ず仮組を行ってから接着していきましょう。
仮組に時間をかける人ほど完成度が高い!?
ボディの仮組、キットのチェック
①:まずはボディを観察しよう!
組み立てる前にボディをよく見て観察しましょう。
観察する際は下記のようなところをチェックしておくと良いですよ!
- 金型の分割線(パーティングライン)がどこにあるか
- 表面から確認できるパーツのヒケやうねりなどがないか
- 表面のザラツキや成型傷はないか
- パーツのフチや裏側にバリがないか
- スジボリの深さ太さなどの確認
パーティングラインとは金型の分割線に走る細い線状の段差です。実車にはないので削って落とします。
パーツのヒケやうねりが塗装前の段階から確認できる箇所は塗装したときにひずんで見える原因になるのでヤスリで慣らします。
表面のザラツキはパーツの抜きが複雑な部分や奥まった部分に生じやすいです。このZをはじめ最近のキットではあまり見られませんが明らかにザラザラしている部分がたまにあります。
パーツのフチや裏側のバリは最新キットであればほぼ問題ないですが、生産から年月が経ったもの(金型が摩耗したもの)では生じやすいです。パーツのフチに指をあてて引っ掛かりや突起がないか確認してみてください。
スジボリの深さや太さの確認は彫りなおすかどうかの判断や実車のスケールから正しい太さになっているかどうかを見ておくと良いでしょう。
事前に確認して意識しておくだけで仕上がりが変わります!
しっかりとボディを観察したらフロントバンパーなどのランナーを用意して仮組に入っていきましょう!
キットの取扱説明書ではフロントバンパーとボディを別々に塗装してから接着するようになていますが、研ぎ出しなどの作業をする場合、塗装や仕上がりのムラを防ぐためにもバンパーはできる限り接着しておいた方がいいです。
僕もですが多くのオートモデラーは可能な限りボディパーツを先に接着していることが多いですよ!
仮組の方法、コツ
パーツを切り離したらゲート処理のみ行う
カーモデルの場合パーツの表面処理としてほぼボディの全面にヤスリがけを行いますが、パーツ単位で表面処理をしてしまうとボディと組み合わせた時に目立つ段差になったり、結局無駄な修正が入ってしまう場合があります。
なので最初はゲート処理のみを行いましょう。
ゲート処理は基本的にナイフを使わず、サンドペーパーで削り落とすのがおすすめです。ナイフでカットした際に誤ってえぐってしまったりすると後の処理が非常に大変ですから…。
接着前にパーツを手で合わせよう!(仮組)
今回のZの場合フロントバンパーは接着する必要がありますが、いきなり接着してはいけません。
まず最初にパーツ同士を手で合わせたり、マスキングテープで組み立てます。
ガンプラなどのスナップフィットプラモデルでは、まず普通に組み立てることを仮組と言ったりしますが、スケールモデルの場合接着を伴わない(むしろ接着する箇所の確認を主にする)組み立てを仮組と呼びます。
仮組の際、接着剤を塗る(流す)場所やパーツ同士の段差(精度の狂い)を確認しておくと良いでしょう。
接着して組み立て
仮組の状態で納得がいけばパーツを接着します。
僕は基本的にカーモデルのボディ組にはタミヤの速乾流し込み接着剤しか使いません。
乾燥時間が早いのではみ出しにくいのと、次の作業に早くうつれる点がメリットです。
速乾流し込み接着剤は通常の接着剤や速乾タイプでない流し込み接着剤に比べてよりサラサラしているので、あまり大量に流しすぎるとボディの表側まで流れてしまうことがあります。
瓶から救った状態では多めなことが多いので瓶のフチなのでしごいて最低限の量を少しずつ塗布していくと良いでしょう。
慣れてくると速乾流し込み接着剤のほうが組み立てやすく感じてくると思います。
不安な人は普通の接着剤を使ってももちろん大丈夫!
接着が完了しました。
タミヤのプラモデルの場合フロントバンパーの接着程度で作業が完了する場合がほとんどです。ハセガワ、アオシマ、フジミなどはバリエーションキットを見越して前後バンパーが分割されている事が多いので、リア側も同様に作業しておきましょう!
最近のキットでは少ないですが、バンパーを先に接着するとボディがはめられない場合がありますので、取説などを見てよく確認しましょう。
後から組むパーツも仮組して確認しよう
ボディは最後の組み立てでライトを取り付けますが、こういうパーツは精度が大事なので塗装前にきちっとパーツがハマるか確認しておきましょう。
タミヤのプラモデルの場合まず問題になることはありませんが、他社キットや古いキットの場合パーツの合いが悪いことがあります。そんなときは塗装する前にパーツの干渉箇所を削るなどしてきちっと組めるように追い込みましょう。
この作業も仮組の大事な作業のひとつ!
仮組はなんでも接着すれば良いわけではないぞ!
ボディは塗装前にできる限り接着したほうが良いと書きましたが、そうではない場合もあります。
例えばこれ↓
ボディのドア下に貼るサイドシルのパーツです。
この部品はドアより外側に張り出す(サイドシルの方がでっぱっている)ので、ボディの表面処理前に接着してしまうと…
ドア下にある大きめのうねり(上の写真矢印部)が処理しにくくなってしまいます。
なのでこの段階ではサイドシルは接着しないでいくことにしました。こういう部分もしっかり仮組をしていれば判断できます。
ヤスリがけをして表面を慣らした状態がこちら。綺麗にうねりが消えていますよね。
サイドシルのパーツを先に貼ってしまうとこのドア下の部分がものすごくヤスリがけしにくくなることが分かると思います。
ボディ仮組のまとめ
- パーツの状態は組み立て前にしっかりチェックする
- 研ぎ出しを考えたらバンパーなどの大きめのパーツは事前に接着したほうが良い
- ただし表面処理の時のことを考えて今の段階では接着しない部品もある
- 接着剤はつけすぎないようにすること(はみ出せないこと)
- この段階でライト、窓、ウィングなどの後から付ける部品も仮組しておこう
シャーシの仮組、キットのチェック
続いてシャーシも仮組していくぞ!
シャーシを観察してみよう!
シャーシです。Z34のベースキットの発売は2009年…このころはシャーシ裏に結構色々なパーツがモールドされており塗分けが大変そうですねぇ…。
最近のカーモデルは部品点数が増えていますが、その分シャーシ裏の分割も多く塗装作業はやりやすくなっていますね。まぁアンダーパネルで全部覆われている場合はもっと楽なんですが(笑)
シャーシの部品は基本的にゲート処理のみでOKです。
パーツの表面にヤスリをかけると細かいモールドにヤスリカスが詰まったり、ヤスリの傷が残って塗装後に目だつ場合があるので注意してください。
パーティングラインやゲートはこの段階で完璧に処理してOK
シャーシのパーツは光沢塗装をする場合のような手の込んだ表面処理はしませんので、この段階で各パーツのゲートやパーティングラインは処理してしまってOKです。
足回りはサスアームやスタビライザー、マフラーといったパイプ系のパーツが多いです。そこに走っているパーティングラインは実車ではまず存在しないのでしっかりとヤスリがけして消しておきましょう。完成度アップの秘訣です。
パーツの処理が終わったら組み立ててみよう(仮組)
足回りに使うパーツはこの段階でカットしてしまいました。
部品点数が少なくて良いですね。なんだか年々パーツ点数の多いキットが組めない体になりつつあるんですが(笑)
ブレーキ周りのパーツです。
こういう接着してしまうと塗装のできないパーツかつマスキングテープなどを使っても仮組できない場合は手で合わせて確認してしまいましょう。
ほかのパーツは乗せれば仮組できるので、取説を見ながらポンポン組んでいきましょう(接着剤は使いません)
精度的にはバッチリ問題ないですね。
塗装前にパーツを洗浄しておこう
表面処理したパーツにはヤスリカスなどが付着していますので、塗装前に洗浄しておきましょう。
超音波洗浄機を使えば簡単に綺麗にできるのでおすすめですよ!
超音波洗浄機は水洗いがおすすめ!
洗剤などを入れて洗った場合すすぎが甘いと塗装の定着不良の原因になることがあります!
超音波洗浄機は小さなスケールモデルのパーツを洗うのに便利ですよ
シャーシも洗ってほこりを落としたらザルに取って乾燥機にぶち込んで乾燥させておきます。
乾燥機はなくても大丈夫ですが、クリアー塗装の乾燥時間を早めたり、塗装したパーツをほこりから守るのにも便利なので場所は取りますが持っておいて損はないですね。
まぁ僕が使っているのはただの食器用乾燥機なんですが(レビューみてもみんな模型乾かしてますけどw)
次回はボディの表面処理編!
次回はボディに捨てサフを拭いて表面処理していきましょう。画像が多いぞ!
製作Howto記事一覧はこちら
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今回作製しているキット
組み立てやすくてお値段も安め、カーモデルの入門にピッタリです。ノーマルZの後期型にも組めます!
おすすめHowto本
合わせて読んで頂きたいカーモデル製作のお勧め本です。作業動画のDVD付き!