近年進化の著しい模型ツール業界ですが、その中でも最たる進化を遂げたツールといえばヤスリでしょう。
昔はホームセンターで買った耐水ペーパーをひたすらプラ板に両面テープで貼ったものです…
と、懐古主義は置いといて(笑)、群雄割拠のヤスリ時代。もう何を買ったらいいのかわからないモデラーの皆様も多いはず。
今回は実際に僕が現在使用しているコレはおすすめ!なヤスリをご紹介。
紹介するヤスリは性能が被っているものはありませんので、どれも買っても大活躍することうけあいです!
ヤスリの種類について
大小さまざまなメーカーから色々なヤスリが発売されていますが、大きく分けて4種類あります。
- ペーパータイプ
- スポンジタイプ
- フィルムタイプ
- 研磨剤シートタイプ
この4種類を抑えておけばOKです。
順を追って説明していきましょう。
ペーパータイプ
昔ながらの紙ヤスリでサンドペーパーともいいます。いわゆる普通のタイプ。
模型用のペーパーはほとんどが耐水仕様になっているので、水を付けることで目詰まりを防止し切削性を高めたりする「水研ぎ」という作業が可能です。
そのままだと柔らかく研ぎにくいので折り曲げて使ったり、硬いもの(当て木)に貼り付けて精度の高いヤスリ掛けをできるようにしたりと用途色々。
一番使用頻度が高いヤスリです
スポンジタイプ
スポンジのベースにヤスリシートを貼り付けたものです。
柔らかいので曲面追従性が高く、複雑な形状の部品のヤスリ掛けや表面処理に向いています。
使用するスポンジにより硬さの微調整が効くので、メーカーの個性が最も出るヤスリといえます。
曲面の多いキャラクターモデルやカーモデルにおすすめ!
フィルムタイプ
フィルムタイプは研磨機能を持ったプラスチックでできたシートのことです。
これまでのヤスリにはない独特な削り心地と高い耐久性、研磨面が均一に仕上がるなどの特徴があります。
比較的最近できた新しいタイプのヤスリと言えます。
目の粗いものは硬いので整面などの精度の高い工作に、目の細かいものは研ぎ出しの下磨きに使えます。
研磨剤タイプ
研磨剤タイプは布シートに研磨材をコーティングしたもので、曲面への追従性が高く、均一な粒子による仕上がり面の美しさ、均一さが特徴です。
基本的に番手が高く、研ぎ出しやクリアーパーツの磨き込みに適しています。
紙やすり#1000以上相当のものがほとんどなので仕上げ用途に向いていいます。
おすすめヤスリ5選
それでは勉強もそこそこにおすすめヤスリを紹介しましょう!
どれも現在進行形で僕が愛用しているものです。
Wave Pre-Cut 切れてるヤスリ
- 使いやすさ
- 耐久性
- コスパ
主な用途:模型製作全般
こちらはオーソドックスなサンドペーパーを短冊状に切ってコンパクトに束ねたものです。
「そんなの自分で切ったらいいじゃない。」とお思いの方もいるかもしれませんが、ヤスリのカットは刃物へのダメージも大きく、キレイに切るのも意外と難しい。
この製品はそんな面倒をすべて解決しコンパクトに提供してくれます。
切れているメリットとして楽なのはもちろん、キレイに切れた端面を利用して逆エッジやスジボリの隙間をヤスることができるのが大きなポイント。
さらに折り曲げれば平面が、そのままだと曲面もヤスれる幅広い用途も素晴らしいです。
ラインナップは400番から1200番までの200刻みの5種類。もちろん水研ぎ可能。
僕は改造もするので粗削り用に400番、ゲートやパーティングラインの表面処理に600番と800番、カーモデルのボディ磨きの仕上げ用に1000番を用意しています。
ガンプラやスケモの基本的な組み立てにはとりあえず600番、800番の2種類を抑えておけばOKです。
Wave ヤスリスティック ソフト2
- 使いやすさ
- 耐久性
- コスパ
主な用途:模型製作全般
こちらもペーパータイプで現在僕が最も愛用しているヤスリです。
硬度の異なる2種のベース材が絶妙なしなりを生み出し、ゲート処理に加えて平面の面だしから曲面のヤスリがけまでコレ1本で出来てしまいます。
多くの方が「硬いヤスリのほうが面出ししやすい」と思われているかもしれませんが、実は柔らかくよくしなるヤスリのほうが面出しがしやすいです。
硬いヤスリはあてる角度を間違えると面やエッジが一発で崩れてしまい修正が困難なのです。
ヤスリスティックソフトはコシがあるので平面も大変削りやすいです。
そのためWAVEからはハードタイプも出ていますが、僕のイチオシは断然ソフト。
面への密着性が良いのか一般の同じ番手のヤスリより良く削れるので、600番、800番を中心に、合わせ目処理などガッツリ削りたい方には400番をおすすめしています。
人気商品でよく売り切れになるので、見かけたらゲット推奨です!
ゴッドハンド 神ヤス アソートセット
- 使いやすさ
- 耐久性
- コスパ
主な用途:曲面の表面処理
複雑な形状のヤスリ掛けに最適な研磨スポンジです。ハサミで自由にカットして使用することも可能。
その追従性の高さから曲面の多いジオン系ガンプラのやすりがけや柔らかい仕上げが必要なFAガールの表面処理、カーモデルのボディやバイク模型のカウルなどの塗装前の表面処理や足付けにもピッタリです。
小さく折りたたんでからピンセットでつまんで削ることもでき、使い方次第で色々な可能性がありますが、柔らかいためゲート処理には向きません。(ゲート以外の場所を削ってしまいがちです)
ヤスリの番手によりスポンジ面の色が変えてあるため、探す際の番手が分かりやすいのも好ポイントです。
さすが模型グッズ専門のゴッドハンドさん!
ラインナップは200番台の荒い物から10000番近い研ぎ出し研磨用まで様々なものがありますが、まずは先ほど紹介した5mmの3種類セットBがおすすめです。
基本工作に使いやすい5mm厚の神ヤスが600,800,1000の3種類セットになっているので1パック買えば色々試せます。
まずはここからゲットしてお気に入りの番手を探ると良いでしょう。
ちなみに120,240,400のAセットもあります。こちらは改造の際の粗削りやパテ加工などに使えます。
ピットロード やすりの親父 フィルムスティックやすり
- 使いやすさ
- 耐久性
- コスパ
主な用途:平面の処理、面出し
2017年10月に発売されたフィルムタイプのヤスリです。
WAVEのヤスリスティックソフトに似た芯材に研磨フィルムを貼ったもので、ペーパータイプのヤスリに比べて非常に高い耐久性を備えており、ソフトな芯材のおかげてゲート処理から面出しまで行えます。
中のスポンジは水にも非常に強いので水研ぎにも適しています。
このヤスリの凄いところは使っていても全く減らないところです。
削りカスも指で拭えばすぐにキレイになります。
ヤスリの進化を感じる一品です。
惜しいのはこれまで紹介したヤスリに比べて大変大きいため細かい作業に向かないことと、これまでの紙やすりと違う独特な切削感(ヌルっとしている)で感覚がつかみにくい点が上げられますが、その耐久性と絶妙なしなり感は一度使えば病みつきです。
驚異の耐久性で1年以上つかっていますがまだ交換の必要を感じません(笑)
こちらも基本的な組立には600番と800番の使用がおすすめです。
Mr.HOBBY Mr.ラプロス
- 使いやすさ
- 耐久性
- コスパ
主な用途:光沢塗装の研磨、サフの研磨、塗装時に乗ったホコリ除去など
当ブログでもオートモデルの研ぎ出し等でたびたび登場する研磨剤タイプのヤスリです。
正確には研磨シートなのでヤスリとは言えないのかもしれませんが。
元々は航空機整備用に開発された製品で、主に民間航空機の乗客用窓の最終仕上げとポリッシング用に使用されていました。
つまり研ぎ出しのためにある研磨シートです。
特徴としては均一な研磨材を含有したシートにより不要な切削傷がほとんど出ず、均質な仕上がり面が得られることが挙げられます。
ラプロスは光沢塗装の仕上げやデカールの段差消しの他、6000番以上の目が細かいシートは塗装面を傷つけにくいため、塗装時に噛んだホコリや粒の除去、サフ吹き後のざらつき除去にも使えます。
また2400番はペーパー1000番相当なので、曲面の表面処理にも使うことができます。
ラインナップは2種類(2400、4000セットと6000、8000のセット)しかなく値段もそれほど高くないので、どちらもゲットがおすすめです。
ぜひご自身に合ったツールをゲットしてください
下の写真のFAガールとバイクは基本的な表面処理を切れてるヤスリとヤスリスティックとやすりの親父で行い、合わせ目消しやカウルの表面処理にヤスリスティックと研磨スポンジシートを使用、バイクのカウル研ぎ出しにラプロスを使用しています。
うまいヤスリがけは練習あるのみですが、良いヤスリを使っていれば上達も早いのは間違いなし。
今回紹介したヤスリはどれも読者様の強い味方になってくれるものばかりです。
良いツールで楽しく模型を作っちゃいましょう~!
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