前回の記事で胴体の合わせ目を消して士の字にしました。
今回は塗装に入ります。
両翼35cm越えで振り回して塗装しないといけません(笑)
塗装前に機内の養生(マスキング)をしよう
機体内部を塗装していますので、本体を塗装する際に塗料が機内に入り込まないよう養生(マスキング)します。
こういう作業って意外とキャラクターモデルでもほかのスケールモデルでもやらないので雑食モデラー的にも新鮮です。
まず機内を壊さないよう慎重に小さくちぎったティッシュなどを丸めてコクピット内に詰め込んでいきます。
これはもしマスキング内に塗料が吹き込んだ際の保険と、次に貼るマスキングテープがつぶれないようにするためです。
テープを中に貼りこんでいきます。
慣れた飛行機モデラーがどうしているかは分かりませんが、僕は機内の内側にテープを貼り付けてみました。つまりテープのノリ面が塗装面側に露出することになります。
小さな隙間はマスキングゾルを使って塞いでいます。
最近少々マスキングが雑でもゾルを塗っておけば大抵大丈夫ということが分かり適当さが増しています(笑)
本体の塗装
それでは塗装していきましょう!
パネルラインへのシャドウ吹き
飛行機模型ではもはや定番となっているグラデーション塗装に挑戦してみます。
飛行機模型は大面積のパーツが多く、単色ベタ塗りするとのっぺりしてしまいがちなので、グラデーション塗装の効果は結構大きそうです。
- 塗装色:ガイア ジャーマングレー
パネルラインの塗装は黒系で行う方が多いみたいですが、今回は見た目の自然さを優先してジャーマングレーでやってみました。
単純に僕はキャラクターモデルでもシャドウ吹きの下地にブラックは使わない派なだけなので、お好みの暗色で塗ってもらえればOKかと思います。
パネルラインの中に塗料がしっかりと入り込んでいればOKなので、それほど綺麗に細吹きする必要はないようです。
綺麗に塗るのに越したことはないですが、上から塗る塗料でほぼ隠れるのであんまり神経質にならなくても大丈夫。
本体色の塗装
- 塗装色:クレオス 暗緑色(中島系)+ ガイア ピュアホワイト(少量)
自分で調色すると当時の中島色は一体何色か問題で一生悩みそうなので、クレオスの中島系暗緑色を買ってきました(笑)
後の工程でウェザリングをするので少しだけホワイトを入れて明るくしています。
Tips:グラデのやり方
まぁ~初めて飛行機模型を作るやつが飛行機模型の講釈を垂れても説得力がないですが(笑)、グラデの塗装技法は万物共通ということでちょっとだけ解説
まず最初にパネルラインの上に塗装していきます。
最初に塗ったシャドウ色がが隠れてしまうのでは?と思われるかもしれませんが、下地のシャドウ色は結構強いので普通に塗るとより黒っぽくなるだけなのでご安心を。
ちなみにサフは吹きません。というか飛行機模型はスジボリが繊細なので基本的にサフは吹かないようです。
サフを吹かないけど傷のチェックをしたいという場合はライトグレー系の塗料を吹く方が多いようですね。
成型色がライトグレー系であれば下地をハイライトの代わりに使えるのでそのままのほうがシャープに仕上がると思います。
全体に塗料を吹きつけます。
面積が大きいので一面ずつ仕上げないで全体的に吹いて塗っていった方が綺麗に仕上がると思います。
こうしてみると意外とシャドウの黒や成型色のグレーが主張していることが分かるかと思います。
あまり塗りつぶすと立体感を損なうのでほどほどに進めましょう(それが難しいんですけど笑)
主翼も塗っていきます。
こうやってグラデで色を付けていくとかなり立体的な見た目になってくると思います。
実物としてみるとありえない表現ではありますが、AFVをはじめとした兵器系の模型では大変効果的です。
飛行機模型のような大型で持ち手も付けられないパーツを塗装するときはまず本体の片側(上の写真の場合右主翼)を塗るときに左主翼を持って塗装し、乾燥してから右主翼をもちながら左側を塗るといいです。
ようは塗装が乾燥したら触れるので、乾いてたら塗装した面を持ってほかの面を塗りましょうということです(笑)
荒業のようでごく当たり前の作業ですが、模型慣れすると意外と悩んじゃうんですよねえ。
ということで塗装中は飛行機本体をブンドドしながら塗っているわけです。ハタから見たらシュールである。
最終的な濃淡の調整は、塗装に使った塗料をもう一段薄く希釈してシャバシャバにしたものをサッと全体に吹くように塗ってあげればうまくいきます。
グラデした結果左右の翼や部分的に色味がそろわない!という事にお悩みの方は一度試してみてください。吹きすぎて失敗するとグラデが消えるので要注意(笑)
日の丸の塗装
日の丸はデカールが入っていますが、この面積にデカールを貼るのって地味に難しそうじゃね?とかデカールの段差がスケール感を損なうんじゃね?と悩んでしまったので塗装することにしました。
初飛行機模型のしおらしさがまったくないですが、まぁいいでしょう(笑)
日の丸マスキングのやり方
まず最初にデカールから日の丸の直径を測り、マスキングシールにパンチコンパスを使って切り取ります。
マスキングシールの外枠は後で使うので大きめに用意しておきましょう。
パンチコンパスはスケールモデルのマスキングにかなり便利なのでしっかりした精度の物を買っておきましょう。
僕のお勧めは下記のプラッツ製のもの。替え刃はカッターナイフの刃が使えます。
切り抜いたら日の丸側の方を本体に貼って位置決めしましょう。
位置決めができたら、その日の丸にピッタリとはめ込むようにマスキングシールを貼り付けます。
出来上がったら最初に貼った日の丸側を剥がせばマスキング完了です。
マスキングシールはタミヤのメモリ入りが一番使いやすいです。おすすめアイテムです。
日の丸の塗装
暗緑色の上に赤色は発色しないので最初に下地を塗装しましょう。
- 下地:ガイア Exホワイト
下地のホワイトを厚塗りするとマスキングを剥がしたときに白い部分が見えてしまうので薄く塗るようにしましょう。
塗料も薄く希釈しすぎると表面張力でマスキングのフチに塗料が溜まって厚くなるので、少し粉っぽいくらいで吹いたほうが良いです。
左手にコピー用紙を当てていますが、これはマスキングテープを貼ると大量に消費するため、節約のためにコピー用紙で代用しているの図です。大きいキットを塗る場合は結構使えるテクニックです。
- 塗装色:クレオス モンザレッド + クレオス マホガニーサーフェイサー(少量)
日の丸の赤色はどんな色が良いか迷いましたが、無難にデカールの色味に合わせることに。
手持ちの赤塗料に少しだけマホガニーを混ぜれば赤茶けた良い感じの色になってくれました。
とういうことで塗装完了。4カ所ありますが気合で頑張ろう(笑)
日の丸のフチにわずかに下地の白が見えていますが、ある程度は仕方ない面もあります。
気になる場合は親指の腹などで日の丸のフチを擦ってあげればある程度白い部分をペリペリと剥がすことができます。お試しあれ。
敵味方識別帯の塗装
日本の大戦機には主翼前部に黄色く塗られた帯が存在しています。
これは敵味方識別帯と言い、交戦中に空域を舞う戦闘機が敵か味方かを判別するために塗られたものです。
先ほどの日の丸と同じくデカールが付属してきますが、主翼のカーブに貼るのが難しそうだったので塗装で再現することにしました。
マスキング
マスキングテープとコピー用紙を使ってマスキングします。
コピー用紙はマスキングテープをケチれるほか、本体に貼るわけではないので塗装面を痛めにくいのもメリットです。
敵味方識別帯の塗装
- 塗装色:ガイア 黄橙色 + タミヤ ピュアーオレンジ + クレオス MSイエロー
ひどいカラーチョイスだ(笑)。わずかにオレンジ味を感じるイエローなのでああだこうだと調色した結果です(笑)。
やっぱり塗装するとデカールを貼るより薄く、シャープに、確実に仕上がるので良いですね。
デカールを貼るのか塗装をするのかどちらが良いかは難しいところなので、自分に合った方で作業しましょう。
本体色の塗装完了!
ということで塗装完了しました!
塗装パーツ単位でいえば1パーツですが(笑)なかなか骨の折れる作業でした。
飛行機模型を初めて作るにあたり気になっていたのは「こんなに大きい模型を壊さずに塗れるかどうか」、という所だったのですが意外とそのあたりは問題なく、タミヤ製キットの頑丈さと安心感を改めて感じました。
僕の飛行機模型メインの知り合いの方はレジ袋に飛行機模型を入れて展示会に持ってきたりするのですが(笑)ほんとうに飛行機模型って頑丈なんですね。
あっそういば写真に撮っていませんが、エンジンカバーや斜銃の扉など胴体色で塗るほかのパーツも忘れずに塗っておいてくださいね!
あとコクピットのマスキングもまだ剥がさないでね!
次回は小物塗装とフィニッシュ編
次回はエンジン、コクピットハッチなどを塗装し完成させていきます。
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今回作製しているキット
配色はゼロ戦などど変わりませんが、主翼が大きく塗装映えするキットです。