前回の記事はボディの研ぎ出し編でした。残すはボディに取り付けるパーツのみですが、今回は窓のパーツの塗装をやっていきましょう。
カーモデルの窓はクリアーパーツでできていますが、そのほとんどが外周の枠の部分を黒く塗り分ける必要があります。
これが中々地味なのに面倒な作業なのですが、今回はその枠をキレイに塗り分ける方法を紹介します。
キットにマスキングシールが付属しているかチェックしよう
昨今のカーモデルにはほぼ100%ウィンドウマスクシールと呼ばれる窓枠マスキング用シールが付属します。
昔のキットにはこんな便利なものは付いていませんが、タミヤの場合新型キットと再販キットには新規に用意してまで必ず付属しますし、アオシマやハセガワ、フジミの新作キットにも必ずと言っていいほど付属します。
たまにハセガワの再販キットには付属しないことがありキットを買ってからこんちくしょーと悔し涙を流すのも模型の楽しみ方です(上級者向け)
今回はウィンドウマスキングシールがある場合とない場合両方を紹介しますので、製作中のキットに合わせた手法で塗装してみてくださいね。
ウィンドウマスクシール付きの窓枠マスキング作業
STEP1:ウィンドウマスクシールを貼る
ウィンドウマスクシールが付属する場合は、まずマスクシールを窓の裏側から貼ります。
マスクシールは窓枠のモールドに沿って貼るだけななので簡単ですが、位置決めのために何回も貼ったり剥がしたりすると粘着力が低下し、窓の曲面に追従できず剥がれてきたりしてしまうので、なるべく1発で貼るよう心がけましょう。
貼り付けたらテープのフチをよく指で押さえて馴染ませます。この作業を怠ると塗装の際にテープのフチが浮いてきてパリッと塗り分けられないことがあるので気を付けてください。
マスクシールを貼ると中央に空気が入ったりしますが、塗装に差支えはないので無視してOKです。
STEP2:表面をマスキングテープで覆う
そのまま塗装してしまうと表面に塗料が回り込んで汚れてしまうので、ちょっともったいないですがマスキングテープを使って表面全体を覆うようにして保護しておきます。
1/24のカーモデルなら20mm幅のテープで簡単に覆えますが、1/12などビッグスケールの場合はテープがもったいなさすぎるのでコピー用紙などの紙などで代用しても良いでしょう。
裏側から見るとこんな感じ。テープは写真のように大きくはみ出して貼って構いませんがパーツのフチの部分は塗料が入り込まないようにマスキングシール同様にしっかりと押さえておきましょう。
ウィンドウマスクシールが付かない場合の窓枠マスキング作業
冒頭書いたように昔のキットや再販キットにはウィンドウマスクシールが付属していないことがあります。
先日フロムエーのデカールが貼りたいためだけに買ったハセガワのポルシェ962Cには付属していませんでした。ぐぬぬ。
まぁCカーの窓は曲率が高くてマスキングシールが付属していても多分貼りにくいと思うので、ここはおとなしく自前でマスキングしてみましょう。
STEP1:細切りマスキングシートを用いて外周部をマスキング
昔は結構苦労して窓枠のマスキングをやっていましたが、昨今はとても楽にマスキングできるものが売っています。それがこちら。
GSIクレオスから発売されている、Mr.細切りマスキングシートというものです。
このシートは1mm幅と2mm幅に切れ目が入ったテープとなっていて長さもあるので曲面やカーブのある窓枠塗装に便利です。
基本は1mm幅を使います。写真のようにモールドに沿って貼っていくだけ。
角がきついRになっていますが、1mm幅のマスキングテープなら曲げて貼ることが可能です。写真に写っている丸口のピンセットを使えば比較的に簡単に角Rを付けながら貼りこむことができますよ。
テープの終端は開始点と2mmくらいラップするようにカットして貼れば綺麗に仕上がります。
テープを貼り終えたらピンセットや指などでしっかりとテープを密着させてください。先ほどのマスクシール同様圧着が甘いとテープが浮く原因になってしまいます。
この作業、自分でマスキングテープやシートを細切りしてももちろん良いのですが、まっすぐ細切りするという作業は地味に難しいのであらかじめ切られているシートはありがたいですね。
上の写真のようにあまりにカーブがきつく1mmのテープでも曲げられない場合があります。
そういうときは一旦テープを貼ってからモールドに沿ってシャーペンで線を引き、シャーペンの線に沿ってテープをカットすれば綺麗に角までマスキングできます。
角Rにも馴染むマスキングができました。練習すれば簡単です。
STEP2:細切りマスキングの内側をマスキング
細切りマスキングシートの内側をマスキングします。1mmしか幅のないテープなので重ねるしろがほとんどありませんが、外側にはみ出さないよう十分注意して貼ってください。
マスキングテープは細めの幅に切って貼ると曲面に馴染みやすくて作業がしやすいです。
STEP3:表面をマスキングテープで覆う
ウィンドウマスクシールがある場合と同様に塗料の吹き込み防止用マスキングテープを表面に貼って作業完了です。
写真を撮ってないんですねえ
窓枠の塗装
さて、いよいよ塗装に入ります。
塗装色:ガイア セミグロスブラック
窓枠の塗装色は多くのキットでセミグロスブラックが指定されていますので、ここは指示通りセミグロスブラックを塗ります。
ツヤツヤのクリアーパーツは塗料の食いつきがあまりよくなく、つや消し系の色を塗るとマスキングテープを剥がすときの負荷でフチがめくれたり剥がれたりしやすいためセミグロスブラックがベストです。
細切りマスキングテープを用いたマスキングでも塗装のやり方は同様です。
あまりシャバシャバに希釈するとテープに塗料が染み込んだりテープが溶剤分で浮いたりするので少し濃い目に希釈したほうが塗りやすいです。
マスキングを剥がして完成
テープを剥がしてマスキング完了です。剥がすときはいつでもドキドキしますね。
なんとかキレイに塗り分けができました…コツは何ですかと聞かれたらテープのフチはしっかりと密着させよう。これしかありません。
テープを剥がす際は先ほどのテープ貼りでも紹介した丸口タイプのピンセットがあれば塗装面を傷つけにくく作業がやりやすいです。
もし表面に塗料が回り込んでしまったら…
マスキングが甘くてテープの隙間から塗料が吹き込んでしまいました…普段から作業が適当なのがばれてしまうなぁ(笑)。
そんな時はセラミックコンパウンドで表面を軽く磨いてあげると、吹き込みの塗料くらいであれば綺麗に取り除けます。
リカバーできると知っているからこそ作業が適当でもいいんです!(何もフォローになっていない)
おすすめ追加塗装:ルームミラー取り付け部の塗り分け
今回の説明のベースにしているZ34のように窓にルームミラーを接着するタイプのキットは、窓パーツに四角い接着用のガイドがモールドされていますが、その部分をマスキングして黒く塗りつぶしておくとルームミラーを接着する際の接着剤が表面から見えなくなるので見た目が綺麗に仕上がります。
接着剤が表面から見えると想像以上に見た目が良くないのでおすすめの塗り分けです。意外とこれを教えてくれる人は少ない(笑)
ちなみにここを塗っておくと、接着剤ではなく両面テープを使ってルームミラーを固定することも可能です。
ピシッと塗り分けた窓枠はカッコいいです
ということで今回はウィンドウのクリアーパーツの窓枠塗装でした。
ピシッと窓枠が塗り分けられたカーモデルはとってもシャープな仕上がりになります。
この記事を読んでいただければマスクシールがない窓も綺麗に塗り分けられると思いますので、ぜひ挑戦してみてください!
ではでは!
次回は仕上げの組み立て編
長期に渡り展開してきた「カーモデルの作り方Howto」もいよいよクライマックス。次回はボディやシャーシの小物を作って仕上げていきます!
製作Howto記事一覧はこちら
この記事から各製作記事にアクセスできます。
今回作製しているキット
組み立てやすくてお値段も安め、カーモデルの入門にピッタリです。ノーマルZの後期型にも組めます!
おすすめHowto本
合わせて読んで頂きたいカーモデル製作のお勧め本です。作業動画のDVD付き!