2022年10月よりスタートしたTVアニメ 「機動戦士ガンダム 水星の魔女」 の主役機「ガンダムエアリアル」のガンプラがHG水星の魔女シリーズより発売されました!
今回はキットを素組してプロポーション、可動範囲、ポージングなどのチェックと、ランナー紹介のレビュー記事です!
ビルド系を除けば何気に令和初の完全新作ガンダムアニメ(その前は2016年の鉄血のオルフェンズです)の主役機のプラモデルの出来はどうなのか?それではどうぞ。
HG 1/144 ガンダムエアリアル レビュー
プロポーションチェック
フロントビュー
まずはフロントビューから。
昨今の主役機はどちらかというとスリムなデザインが多かったですが、ガンダムエアリアルは太ももから腰部や胸部が大きく結構マッシブな印象です。そのプロポーション感がどことなく女性っぽくも見えるのは、シリーズ初の女の子が主人公となった水星の魔女に合わせたデザイン感なのかもしれませんね。
キットは関節のグレーがもはやおなじみとなったKPS(軟質スチロール樹脂)を採用したポリキャップレスキットとなっています。
ちなみに先行して発売されているガンダムルブリスとは共通ランナーのない新規造形キットとなっています。
リアビュー
続いてリアビュー
ここらへんは好みもありますが、腰部から太ももにかけてマッシブになったことでかなり好みなプロポーションです。
今後おそらく背負いものが発売され最後には羽根が生えるんでしょうけどこのシンプルな姿も大事にしてほしいものです(笑)
バーニア類のパーツはありませんが、各部にはスリット状のモールドが設けられていて立体的です。最近はこうやってフィン状にすることで、スラスター感とパーツのヒケ低減を両立した形状が多く採用されていて設計の妙味を感じますね。
頭部
頭部はとてもカッコいい!一昔前に流行ったやたら小さい頭ではないので、胴体とのバランスも非常に良好です。
フェイスはゼータガンダムとダブルオーをミックスしたような形状だったのでメカデザイナーはてっきり海老川兼武氏かと思っていましたが、正解は水星の魔女で初起用となったJNTHED(ジェイエヌティーヘッド)氏。メタルギアのメカデザイナーを務めた方ですね。
う~ん、もうここまで完璧に色分けしてしまうか…とうなってしまう頭部の内部構造。
頭部だけで9パーツも使われ、ツインアイのグリーンからクマドリのグレーまで色分けは完璧に再現されています。
胸部
正面からの色分けはほぼ合格ですが肩の赤ラインはシールでの再現となっています。比較的貼りやすい位置なので初めてガンプラを作る方でも安心でしょう。
胸部にはバンダイキットでは珍しく印刷済み(正確にはインモールド成型)パーツが付属します。これは劇中でGUNDAMの名前の元となった技術「GUNDフォーマット」の稼働レベルが一定の強さになると発光するシェルユニットです。キットではシールの貼り分けで発光状態と非発光状態を選択して組むことができます。
両肩のアーマーには合わせ目が出ますが、合わせ目を消しても後からはめ込むことのできる構造となっています。
本レビューでは貼り付けていませんが、脚部などのクリアーパーツなどもシールでこの模様を再現できるようになっています。
今更説明の必要はないかもしれませんが、前部スカートのB2(34)パーツをニッパーやナイフで分割してあげると左右独立して可動させることができます。
背中
シンプルなバックパックにサーベルが2本、それに3mm穴という王道パターンです。ビームサーベルはめちゃくちゃ前後に動きそうな形状をしていますが位置は固定となっています。
今回はオルフェンズの時以上に組み換え遊びを提案したいのか、3mm穴は背中だけでなく両腕、太もも、お尻とたっぷり用意してあります。
胸部の肩軸は前後にスイング、動体は360°干渉なく回せるので色んなポージングが楽しめます。
下半身も十分な色分けですが、設定どおりにするにはお尻の接続軸部のグレー、ヒールのグレー、イエローのフィンパーツの間のグレーなど、一部グレー色の塗装が必要です。
つま先がたたむ動きと回転する動きができるバルバトスと同じような構造なので接地性は高いです。
膝関節の白いカバーB1(3)、B1(4)は合わせ目が出ますが、処理するとはめ込むことができなくなるので注意です。頑張って後ハメ加工をしても良いですが、あまり目立たないので無視しても大丈夫だと思います。
足裏
足裏はヒケ防止のためガッツリと肉抜き穴が入っていますが、各部のスラスターがフィン状なこともあり全く違和感はありません。
脚の底のパーツが無くなり肉抜き穴で処理され出したころは色々言われていましたが、最近はモールドの一環として肉抜きを上手に取り入れているなと本職で金型設計もやる僕的にはにんまりです(笑)
写真の都合上ボケてしまっていますが、股関節の部分にも3mm穴があり後述する武装エスカッシャンで遊んでもディスプレイベースを使うことができます。
武装類
武装はビームライフルとビームサーベルに加えて、エスカッシャンといういわゆるシールドビットが付属します。
サーベルはセンチネラーには嬉しいクリアーブルー(笑)。エフェクトパーツも付属します。
手首は残念ながら穴あき手のみで、握り手や平手は付属しませんが、2023年1月発売予定の「HG 1/144 ミラソウル社製フライトユニット装備」に平手が付属しますのでしばしお待ちを。手指の形状はバルバトスよろしく尖った特殊形状なので汎用ハンドパーツの流用は難しいです。
エフェクトパーツはビームライフルに取り付けることでブレード状態を再現可能です。
ビームライフルは潔い2パーツモナカ割りで合わせ目が見えないわけではありませんが、極力目立たないように配慮されています。
ガンダムエアリアルの特徴的武装のエスカッシャンはGUNDフォーマットを用いた次世代群体遠隔操作兵器システム、通称「ガンビット」で構成された多目的攻防プラットフォームで、分離合体してファンネルよろしく攻撃したり防御したりすることができる万能兵器です。
プラモデルでもしっかりと分離合体が可能でエアリアルに取り付けてビットオンフォームなどモードチェンジして遊べます。
分離して残る基部のパーツは肉抜き穴が目立ちますが、シールド状態では見えないように配慮がされています。
HGのシールドといえばこれまでちょっと物足りない色分けが気になりましたが、本キットでは一部のブルーとホワイトを除いてほぼ完璧な色分け。その足りない部分も付属シールで補えます。
その昔HGUC GP01のシールドが表も裏も真っ白で、こんなもんどうやって塗るんじゃいと最終話付近のコウ・ウラキのような劇画調の顔になってしまったものですが、令和のガンプラは本作の主人公スレッタちゃんのようなニコニコ笑顔で組めちゃいます。
まぁこの3mm軸を多用した組み換え構造は塗装派的には結構しんどかったりするんですが(笑)
武装を持たせてみました。
プロポーションのバランスはやっぱり優秀で良い感じの縦横比となってカッコいいです。
ガンダムGのレコンギスタの主人公機「Gセルフ」は、少年っぽいイメージでデザインされたらしいですが、エアリアルもそのようなデザイン感を感じられるプロポーションに見えますね。
ちなみにマウントパーツを用いることでビームライフルは背中に背負うことができます。これでええんよこれで。シンプルな背負いものなしMS最高。
ポージング、可動範囲チェック
それでは可動範囲のチェックも兼ねてブンドドしてみましょう。
立膝は問題なく付くことができます。腕も肩の引き出し機構のおかげで前まで持ってこれるのでパイロット乗降の時のようなポーズも取れます。
足の動きに干渉しにくいスカートアーマーや腰のスイング機構、肩アーマーを大きく上に跳ね上げられる機構のおかげでビームサーベルを抜刀しながらとびかかるようなポージングもOK。背中の3mm軸も豊富にあるのでポージングに合わせてスタンド位置を調整することができるのも良いですね。
つま先の長いモビルスーツなので地面に立たせるよりかはディスプレイベースで浮かした方がカッコいいですね。3mm軸であればバンダイ、コトブキヤ問わず様々なディスプレイベースが使えます。
僕のおススメはコトブキヤのフライングベースRです(このキットの撮影にも使っています)。バンダイのやたらメカメカしいディスプレイベースに比べてシンプルなので展示物の邪魔をしません。
箱絵のポーズです。そういえば今回の箱絵は随分カッコよかったですね。アニメ放送中に展開されるHGシリーズの箱絵では今までで一番好き化も。
ビームサーベル抜刀。良く動くのでポージングが楽しいです。シールドも程よく大きくてポーズ映えしますね。
エフェクトパーツを用いたブレードモード。こういうパーツがあるだけで遊びの幅が広がります。
エフェクトパーツはライフルに差し込むだけの構造なので、塗装派の方はクリアランスを調整してライフルの塗装がハゲないように注意してください。
ビットオンフォームです。バックパック装備を使わずにシールドを分割して羽根を生やすとはうまく考えてたものですね。
肩バインダー大好きマンとしては肩にビットを付けたこのフォームは結構好きです。
フル装備的な感じで。アニメを見た方ならご存じかと思いますが、エスカッシャンは分離してフィンファンネルよろしく独立兵器として機能します。ただプラモデルでそれを再現するためにはスタンドが圧倒的に足りません(笑)
でもご安心ください。ちゃんと俺たちのバンダイからビット用のスタンドセットの販売が予定されています。
総括:令和の新ガンダムとして胸を張れるクオリティ
いや~カッコイイ、色分け優秀、可動優秀と3拍子そろった素晴らしいガンプラでした。
時代の流れとともについにアニメ主役機ながら販売定価が1000円を超えてしまいましたが、内容物を見れば納得のクオリティ。胸を張って令和の新HGはこれだと言えるでしょう。
シリーズ初の女の子が主人公、まさかの学園モノで同性愛ストーリー?と多様化の時代に合った話題の新ガンダム。
アニメを鑑賞して個人的に思ったのは「ガンダムSEEDの時のように、現代のファーストガンダムをやりたいんだな」ということです。過去作品の視聴者もにんまりするファンサービスシーンも多く、これからのストーリーやプラモデルの展開が楽しみですね!
主役機は再生産が頻繁にされるので定価以上で購入する必要などありません。ネット通販サイトをしっかりチェックすれば必ず手に入ると思いますよ!
次ページより箱の中身、ランナーチェック
次ページより箱の中身の紹介と参りましょう。ランナーや付属の品物を一挙紹介しちゃいますよ!