タミヤ、ハセガワ、アオシマ、フジミ…バイクプラモデルのタイヤは大体ゴムでできています。(一部プラ製のメーカーもありますが)
ゴムタイヤは実車のタイヤと同じようなゴム材で出来ているためその仕上がりや見た目は大変リアルですが、一点気になるのは中央に走るパーティングライン。
ゴム製のためヤスってみても中々消えませんし、削った傷もなんだかイマイチ…
今回はそんなパーティングラインを処理しつつリアルな見た目にする方法をご紹介!
今回の作業はゴムタイヤの材質は問いません※
従来のバイク模型のタイヤはソリッドゴムと呼ばれる材質でできていました。
ソリッドゴムとは文字通り中身の詰まった(密な)ゴムで身近なものだと消しゴムが該当します。
最近のタミヤキット(YZF-R1Mから)のゴムタイヤはエラストマー樹脂になっており、これはゴムと樹脂の中間のような性質を持った素材です。
エラストマーの製造コストがゴムより安いことが採用の理由でしょう。
ゴムとエラストマーの特性の違いは模型製作にはほぼ関係ありませんので無視して頂いて構いません。
荒いスポンジヤスリで一気に削れば簡単です!
昔の模型誌などのHowtoでは#400程度のヤスリから始めてパーティングラインを削るという方法が多かったのですが、これだと力を入れないと中々削れず指がパンパンになってしまうので粗目のスポンジヤスリで一気に削るのがおすすめです。
そこで登場してもらうのは我らがゴッドハンドの神ヤスです。厚みは5mmで3種セットがおすすめ。
神ヤスはスポンジ基材により曲面への追従が良く、パーティングラインにしっかりとヤスリ面が当てられるのであまり力を入れずともライン消しが可能です。
今回は上記神ヤスのセットでも一番荒い#120を使用しました。
指で触るとあきらかにザラザラしていてよく削れそうです。
ということでタイヤ全体を削り込んでみました。
これまでずっとサンドペーパーを使用していましたが、薄いため曲面に上手く当たらず削りムラが発生したり力がかなり必要だったりで困っていたのですがさすがはスポンジヤスリの120番。
しっかり密着させることで大面積を一気に削ることが可能になりました。
タイヤのサイドにあるバリなどもキレイに削ることができます。
非常に楽です
#120だとちょっと荒い傷がつきすぎるかな…?と思いましたが意外と丁度いい傷(使用感)になっており、まっさら新品なタイヤで作るつもりがなければこの番手でおしまいにしても十分かと思います。
これは神ヤスに使われているヤスリが高品質で粒子の目の均一性が高いからだと思われます。
安いサンドペーパーなどは粒子の荒さがマチマチで同じ番手で削っているにも関わらず深い傷がついてしまったりしますから。
削ったらタイヤがグレーになってしまいましたよ?
先ほどの写真を見て頂いても分かりますが、荒いヤスリで削ると削ったところがグレーになってしまいます。
黒いプラをヤスリ掛けしたときと同じ状態ですね。
これではちょっとタイヤらしくないです(日焼けしたり劣化したりすると色味も変わりますし、厳密に言うとタイヤは濃いグレーですが)。
靴墨を使って磨いてあげよう
ヤスリで削ったタイヤはその後どこまで番手を上げても削る前のような黒さには戻りません。
ここで靴墨の登場です。
靴墨とは革靴を磨くクリームで、靴をより黒く仕上げるためにクリーム自体が黒色になっています。
これをスポンジやウエスなどで塗り込めばタイヤが黒くなってくれます。(上の写真の右半分が靴墨を施工した状態です)
靴墨を使うことでタイヤの使用感を出す傷は#120でいい感じに付けつつ、タイヤの色は元の色に近い状態に戻すことが可能です。
靴墨は色々あり100円均一でも買えますがいいものはもっと黒さが出るようなので、より黒くしたい方はちょっと良い靴墨を買ってみてください。
靴墨のナイスな使い方
ちょっと面白い靴墨の使い方を紹介します。
最初に#120で削った時に結構な削りカスがでると思いますが、このカスを洗い落とさずに靴墨でカスごと磨いてみてください。
こちらの写真が靴墨で磨き上げたものです。
削ったカスが靴墨に練り込まれペースト状になることでリアルなタイヤカスのように仕上がります!
中々いい見た目に仕上がって嬉しくなっちゃいますよ!
ただ、作ったタイヤカスは指で拭ったりハケで擦ると取れやすいので注意してください。
その他のお役立ちテクニック
タイヤにシワを付ける方法
先ほどの写真を目いっぱい拡大すればタイヤのショルダー部にシワがあることが分かると思います。
これはタイヤにラッカーシンナーを塗り指で揉むように拭ってあげると付けることが可能です。
パーティングラインを消しつつ新品タイヤのような見た目に仕上げる方法
最初に紹介した神ヤス#120で仕上げた後、同じ神ヤスかサンドペーパーで番手を上げながら#800程度まで磨き込みます。
一旦タイヤを洗浄し、塗装まで終えたホイールに組み込みます。
その後にホイールをマスキングしてタイヤに直接ラッカーのセミグロスブラックやつや消しブラックを塗装すれば新品のような見た目になります。
この方法はタイヤを脱着すると塗料のシワや剥がれの原因になるのでホイールに組み込んだまま行い、その後は外さないようにしてください。
タイヤの仕上げはバイク模型の見せ所
作ったタイヤをホイールに組み込んでみました。
カスの感じとか良くないですか?
車体に組み込んでみました。
こだわったパーツは完成度向上にも繋がりますね!
上記の写真のチェーンはキットのプラパーツに穴あけ加工を施したものです。
こちらのHowtoもありますので読んでみてくださいね。
本Howtoを利用したキットの製作記はこちら
解説に使用したCBR1000RR-Rのキットで実際にこのホイールを組み込む製作記はこちらです。
製作レビュー記事一覧はこちら
こちらはそのキットのアクセス用まとめ記事になります。