前回の記事でアトランジャーとアトリの外装パーツを塗装しました。
メタリック塗装するとキットが映えるのでいいですね。
今回はアトリのお肌と顔の塗装と仕上げを進めます。雑食モデラーの美少女プラモテク全公開(笑)
アトリの髪の塗装(グラデーション)
まず最初にアトリの髪を塗装します。
髪の毛は複数パーツに分かれていますが、個別に塗ると塗装色が合わなかったりグラデーションが綺麗に決まらなくなるので組み立てた状態で塗るのがおすすめです。
先ほど「最初に髪にを塗る」と書きましたが、髪を組んだ状態で塗る場合、髪パーツを取り付ける基部の肌パーツが塗料で汚れてしまうので、肌のパーツの塗装は後に回したほうがいいからです。
ちなみに髪を組んでから塗るとパーツの接合面や小さな隙間に塗装が乗らないというデメリットがありますが、塗料が乗らないほど狭い接合面や隙間は完成すると結局見えないので気にしなくてOKです。
- 下地:ガイア EXホワイト
- 下地(シャドウ):クレオス マホガニーサーフェイサー
- 髪の色(メイン):ガイア タン + ガイア ノーツフレッシュ オレンジ + ガイア クリアーブラウン
- 髪の色(ハイライト):上記のメイン色にノーツフレッシュオレンジをさらに足したもの
- トップコート:クレオス なめらかスムース ⇒いまいちだったのでクレオス スーパースムースクリアーに変更
- 最初に全体をExホワイトで真っ白に染めて下地にします。白下地にするとグラデがハッキリしてわかりやすいです。
- マホガニーサーフェイサー(普通のマホガニーでも可)を細吹きして髪の毛の先端や溝、分け目と言った部分を塗装しシャドウにします。
- メイン色を調色し、シャドウ部を薄めるように塗装し、全体に塗広げます。髪の面積が大きい場所はホワイト下地をわずかに残すといい感じ。
- メイン色にさらにフレッシュ色を足したハイライト色を作り髪の面積の大きいところに塗装して仕上げます。
- 最後にトップコートして完成。
肌を塗装する前に髪と前回塗ったアーマーパーツを組んで色味の確認をしてみました。なかなかいいんじゃないでしょうか?
やはり成型色のままだとちょっと物足りないアトランジャーとアトリですがメタリックが入ると強そうですね(笑)
背面を見るとグラデーションの仕上がり感がわかりやすいかと思います。
髪のグラデーションってどういうセオリーで塗っていますか?と聞かれることがありますが、髪の境目や溝部などの「谷になる部分」にシャドウを、面の面積が大きく、かつ太陽光が当たる「平らな部分」にハイライトを入れればそれっぽくなります。
髪の先端をシャドウ色にするかハイライト色にするかは好みが分かれるところですが、そこはもう本当に好みでいいかと思います。セオリーで行くと髪の先端のほうが髪の量が減って光がすけるのでハイライト色が正解だと思いますが、世の中のフィギュアやフィニッシャーさんの仕事を見ているとシャドウであることが多いです。
うまく塗るには数をこなすのが一番ですが、世の中に星の数ほど発売されているフィギュアに自分の塗りたい色に近いものが必ずあるはずなので、それを探してマネするのが一番簡単かと思います(笑)
僕はあんまり数をこなしていないので毎回完成フィギュアの画像を探してマネていますw
塗装をミスったらシンナーで剥離しよう
塗装が失敗したらクレオスのラッカーうすめ液など比較的弱いラッカーシンナーで拭き取って落とすと綺麗になりますので、恐れず挑戦しましょう。
ABSのパーツはシンナー漬けにしたりせずに拭き取るように落とすとパーツを痛めにくいです。
肌の塗装(グラデーション)
肌の塗装に入っていきます。頭部塗装の際に使用した基部の肌パーツに付着した塗料はラッカーシンナーなどで拭き取って綺麗にしておきましょう。
下地の塗装
- ガイア Exホワイト
まず下地をExホワイトで真っ白にします。サフは吹きません。
白サフでもOKですが、最近白サフが売ってないし、Exホワイトは割と傷消し効果があるのでExホワイトを使っています。
シャドウ色の塗装
続いて影色を塗装します。
影色にする色(僕はいつもシャドウフレッシュ)をパーツの影になる部分やフチ(エッジ)に細吹きで塗装します。
吹きすぎてホワイトの部分が無くならないように作業しましょう。
メインの肌色を塗装
- ガイア ノーツフレッシュ + ガイア ノーツフレッシュ ホワイト
好みの肌色を作成し全体に吹き付けます。
先に吹いたシャドウ色をぼかすように上塗りし、Exホワイト下地と美しくグラデーションが繋がるように塗装すると綺麗に仕上がります。
ハイライト色を塗装
うまく塗れていればまだExホワイト下地が残っているはずなのでその部分とメイン色の境目をぼかすようにハイライトをすればバッチリしあがります。
シャドウを残せば残すほどグラデーション塗装をやった感じが出て写真で撮っても映えますが、現物を見ると違和感があったりしますので良いところを狙ってみてください。
僕はいつもグラデーションをかなり弱く(薄く)やるタイプなので、作った作品をSNSに上げても映えません(笑)
今回は反省して少しグラデを強めましたw
SNS映えしないと評判のうっすいグラデで仕上げた作品はこちら↓(繊細なグラデもいいと思うんだけどなぁ)
余談ですが雑誌作例の美少女フィギュアの現物はグラデが強めなことが多いですね。あれは「紙面(撮影)映えする」のが最優先なので正解です!プロモデラーさんも大変ですね。
トップコート
顔パーツのトップコート
- ガイア Exクリアー
顔パーツは後でデカールを貼ったり口の塗装をおこなうので、いったん光沢クリアーでテカテカに仕上げておきます。
ほかの肌パーツのトップコート
- クレオス スーパースムースクリアー
肌パーツは仕上げは毎回クレオスのスーパースムースクリアーです。いろいろ試しましたがこれが一番質感がいいです。
難点はフッ素入りなので乾燥後の色味が若干白っぽくなることです。それを見越してグラデや肌色はわずかに濃い目にしておくのがコツなのですが、これがなかなか難しい(笑)
あ、上の写真を見てもらえばわかりますが、フンドシのような赤いパーツは前回行ったマットキャンディ塗装のレッドと同じ色で塗り分けてあります。
肌パーツの塗装完了
仕上がりを確認するために一度組み立ててみました。いいじゃんいいじゃん。
ガールプラモやっぱり楽しいわ。
アトリの顔の仕上げ
顔の仕上げは美少女プラモの仕上がり8割を決めるので慎重にやりましょう(笑)
瞳デカール貼り
ここに来てやっと気づいたんですが、アトリの付属瞳デカールは基本的にキットに最初から印刷されている瞳と向きが全部逆なんです(笑)
そのため瞳を剥がして肌を塗装する場合、キット付属品と同じ表情では作れません。マジかよアオシマ(笑)
このあたりはちゃんと肌を塗ってもキットと同じ表情が作れる上におまけの瞳デカールも豊富なコトブキヤのほうが上手ですね。次のキットでは頑張ってほしいところです。
瞳デカールを貼っていきます。
顔パーツのみでデカールを貼ると、髪パーツに組み込んだ時に変な見た目になることがあるので瞳の位置決めは髪パーツに顔を取り付けた状態でやりましょう。
デカールを貼ったら水を抜きますが、綿棒だと拭き取り時にデカールが動くことがあるので写真のように筆を使うのがおすすめです。
安いセットもので十分なのでこの際ゲットしておきましょう。
付属の顔パーツすべてにデカールが貼れました。
僕はこの瞳デカール貼りの位置決めが苦手で1個30分かかります。スケールモデルのカーボンデカール貼りのほうが楽です(笑)
マークソフターはデカールのシワの原因になるので使わないほうが良いです。
お口の塗装(開口)
お口の塗装はエナメル筆塗りでやります。
口の中の塗装
- 口の中:タミヤ エナメル レッド + ホワイト + ピンク
- 歯:エナメル ホワイト
口の塗装はエナメル塗料の筆塗りでやります。エナメル塗料は発色が良く失敗してもエナメル溶剤で拭き取れば何度でもやり直せるのがメリットです。
アトランジャーのキットにはデカールが付属していますが、ぶっちゃけ塗ったほうが簡単綺麗だと思います(笑)
デカールを参考にエナメル塗料を混色して面相筆で塗装します。
写真の塗料はクラフトテープの上に出しています。クラフトテープは塗料をはじくのでパレット代わりにできて便利ですよ。
お口が塗れました。失敗したらやり直せばOK。僕も2回ほどやり直しました。
口のフチを塗装
- タミヤ エナメル レッド 筆塗り
口の上にエナメルのレッドで細いラインを書き影色にします。付属デカールにも同様の赤い部分があるので参考にしてみてください。
これは結構難しいです。指プルものです(笑)
お口の塗装(閉口)
口は閉じているものもあります。そちらも塗装して仕上げましょう。
- タミヤ エナメル フラットアース
閉じた口は影色になるので、ピンク系の色よりもフラットアースがおすすめです。
キットに付属する口を笑顔パーツには口の溝がモールドされているので、スミ入れの容量で流し込み、よけいなところは拭き取れば綺麗に仕上がります。
今回はおまけで付属している無表情パーツもありますので、面相筆を使ってへの字口を書いてみました。20回くらいやり直してます(笑)
瞳デカールのトップコートと段差研ぎ出し
瞳デカールには段差があるので研ぎ出して消しましょう。
ところでこの作業、僕はスケールモデルのデカール段差消しの延長上で「やるのが当然」くらいに思ってやっていたのですが、聞いた話によるとプロモデラーでもやる人少ないってマジ!?
トップコート
まず最初にクリアーコートします。
- トップコート:ガイア Exクリアー
砂吹きから初めてデカールの段差がぼんやりするまで3~4回コートします。
目安としてはこのくらい。瞳デカールの段差にクリアー層が乗ってぼんやりしていることが分かると思います。
瞳デカールの研ぎ出し
デカールは乾燥機に入れて丸一日乾燥させたら研ぎ出しを行います。
当ブログでは親の顔より見たラプロスを使ってデカールの段差を研ぎ出します。
ラプロスを使う研ぎ出しは水溶きでやりましょう。切れ味と仕上がりが違います。
ラプロスは4000番で段差を消し、6000番で仕上げればOK。艶消しコートするので4000番でフィニッシュしてもOKです。
仕上げのトップコート(艶消し)
- ガイア スーパースムースクリアー
艶消しを吹いたらようやくかわいらしい表情になりました。
正直光沢クリアーが塗られている間は「お顔油テカテカ」という感じで「ホンマに可愛く仕上がるんかいな…」とビクビクしているのですが、艶消しを吹いたらちゃんと可愛くなるので毎回ホッとしてます(笑)
お顔のお化粧(ウェザリングマスター)
タミヤのウェザリングマスターHのピーチを使って頬っぺたや顎の影部などをほんのりピンクにしてあげます。
グラデーション塗装をしているのにこの作業が必要かと思われますが、塗装で出せる質感とウェザリングマスターで出せる質感は結構違うので使い分けるのがおすすめです。
ウェザリングマスターはもともとミリタリー向けの汚れ再現用ツールだったのですがGとかHのフィギュア向けカラーが出てからネーミングが合わなくなってしまっているのが面白い。女の子プラモの口にフラットアース(泥)を塗ったりウェザリング(風化)マスターで仕上げたりとは一体何てこったい(笑)
一例ですがウェザリングマスターは上記の丸部にうっすら塗布してあげると効果的です。
色々試してお気に入りの仕上げを見つけてくださいね。
作業完了です!
ということでお肌の塗装と顔の仕上げが完了しました。
試しに仮組してみましたが、これはなかなかいい感じですぞ!
次回は最終組み立て編!
次回は製作記最終回。塗装したパーツを組み付けていきますが多分そんなに書くことありません(オイ)(8/7現在記事準備中)
製作レビュー記事一覧はこちら
この記事から各製作記事にアクセスできます。
今回作製しているキット
今回製作しているキットはアオシマ社から発売された新シリーズ、合体アトランジャーです。
2021年10月にはバリエーションモデルのアトランジャーΩ(オメガ)も発売します。基本的に作りは同じなので製作記事は参考になると思いますよ!