ピシッと決める窓枠のマスキングとリアルに決める塗装方法
さて引き続き窓枠の塗装に入っていきましょう。実際は先ほどのスジボリ加工の後にサフ吹いてボディ色塗ってクリアー吹いてデカール貼って研ぎ出しとかしちゃってますが(めっちゃ色々やってるやんけ)、それは次回以降の記事で書きますぞ(笑)
窓枠塗装を行うタイミングは基本的に研ぎ出しまで完了してボディが仕上がった状態で行います。
研ぎ出し用のクリアーを吹く前に窓枠を塗るとクリアー塗装が窓枠にかかってしまいますし、研ぎ出しの削り作業をする前に窓枠を塗るとコンパウンドなどが付着して窓枠のツヤ感がおかしくなってしまいますからね。
作業1:マスキング作業
STEP1:マスキングテープ貼りとアタリ付け
作業に入っていく前にマスキング箇所をしっかりとチェックしておきましょう。先ほどの工程で行ったスジボリが塗装をされてもしっかり残っているのが分かりますか?
まずマスキングテープを窓枠に貼ります。この時なるべく1枚で窓枠全体を覆うのがコツです。
マスキングテープが2分割されるとテープの重なった部分が段差になり塗装ズレ(ガタガタ)の原因になりますので注意してください。テープは20mm幅もあれば大体事足りますが、大きいモデルなどを塗装する場合はマスキングテープではなくマスキングシールを使うと良いでしょう。
テープが貼れたらシャープペンシルを使って先ほどの工程で彫ったスジボリをなぞるようにテープを押して馴染ませます。シャーペンは0.5mmのものを紙やすりで尖らせてニードル状にすると精度よく作業できますよ。
シャーペンでなぞる前に自分の爪でスジボリ部を軽くなじませてあげるとテープ破れが起きにくくなります。
シャーペンなぞりが完了しました。シャーペンは尖らせるほど作業しやすいですがその分テープが破れやすくなります。お好みで調整してみてください。
次の工程のカット作業のガイドラインになりますので、シャーペンなぞりは塗分けラインすべてに行ってください。
STEP2:テープのカット作業
これが難しいですがうまくやれれば綺麗に塗り分けることが可能です!
先ほど引いたシャーペンの線をなぞるようにナイフを入れてマスキングテープをカットします。
この時ナイフの先端が最初に彫ったスジボリの中に入るように切ります。そのためシャーペンの線引きがとっても重要です。
ナイフは必ず新品を使って作業しましょう。マスキングテープなどノリのついた紙を切るという行為は刃物の切れ味を大きく損ないます。ダメと思ったら新品に変えるくらいの勢いで作業しましょう。
カットが無事完了しました。
このようにナイフをスジボリに入れるようにしてテープをカットすると、テープのフチがスジボリ内に入り込むように切れるのでマスキングのラインが非常に美しく決まり、塗分けがシャープに仕上がります。
さらにこの彫り方はナイフの先端でボディに押し込みながらカットするのでテープのフチがめくれにくくなることがメリットです。
この作業はナイフを直接ボディに当ててカットするのが最も重要なポイントなのですが、塗装して研ぎ出したボディにナイフを入れる作業は怖い方は大変多いと思います(笑)。
そんな方はシャーペンなぞりまでは今回の作業を取り入れて頂き、テープのカットをする際はボディから剥がしてシャーペンのラインで切ってみてください。
マスキングテープを塗装の境目に貼り付けるより確実に綺麗なマスキングができるはずです。
STEP3:他の部分の養生
カット作業ができたら他に塗装がかかっては困る部分をマスキングしていきましょう。
カットしたマスキングテープをなるべく引っ張らないようにほかの部分をマスキングしていきましょう。
僕は基本マスキングは覆えていればOK派なので結構適当にやっちゃっています。
エアブラシで塗装する場合は細吹きができるのでマスキングテープはあまり広範囲に貼らなくてOKです。
また今回のようにデカールを貼っているキットの場合、マスキングテープを剥がす際にデカールごと剥がしてしまう可能性があるので、心配な方はテープを貼る前に自分の肌に一度貼るなどして粘着力を弱めてあげると安心です。
ちなみに今回の作業に使ったマスキングテープはタミヤのマスキングテープ18mmです。マスキングテープは3M派とカモイ葉に大別されますがなんやかんやと3Mのタミヤ製が僕のお気に入り。ケース便利だし。
塗装作業
マスキングができたら塗装に入ります。マスキングテープはほっておくと端面が浮いてきやすいのでテープを貼ったらすぐに塗装を行いましょう。
色のチョイスは黒サフかつや消しブラックで
- 塗装色:ガイア サーフェイサー EVO ブラック
窓枠の塗装色といえば多くのカーモデルで取説でセミグロスブラック(半艶黒)が指定されていますが、窓枠はウェザーストリップなのでゴムで出来ています。
皆さん自分のクルマなどを確認してもらえば分かると思いますが、窓枠のゴムには基本的にツヤはありません。
ここにセミグロスブラックを使うとかなりおもちゃっぽい仕上がりになってしまいます。
そのため個人的にお勧めするのが黒サーフェイサーです。
黒サフ(特にガイアのもの)は艶消し寄りの半光沢なので、新車時のような黒々としたゴム感が再現できるためとてもリアルに仕上がります。
ちなみに黒サフよりもツヤ感を落としたい場合は「ガイアのフラットブラック」を、使い込まれたゴム感を出したい場合は「タミヤのフラットブラック」を、色あせた感じを出したい場合は「クレオスのガンダムカラーファントムグレー」を使うのがおすすめです。
またラバーブラックというゴム色がタミヤとクレオスにありますが、これはミリタリーモデル向けの塗料でかなり緑味の強い塗料となっているためカーモデルにはあまり向きませんのでご注意を!
というわけで塗装完了です。
マスキングテープを剥がしたらスジボリに沿ってタミヤのスミ入れブラック塗料などでスミ入れをしてあげましょう。
ボディと窓枠塗装の境目が多少ガタついていてもウソのようにきれいに馴染みます。
どうでしょうバッチリリアルに仕上がっていると思いませんか?上の写真は実物より拡大して撮っていますので、もっと小さな現物を見たらさらに綺麗に仕上がって見えますよ!
サイドの窓枠が塗れたら前後の窓枠なんて余裕余裕
続いて前後の窓枠も塗装していきましょう。
前述したとおり前後の窓枠にはスジボリがありますので、同じようにテープを貼ってからシャーペンでスジボリをなぞりナイフでカットすればマスキングが可能です。
これはぶっちゃけ普通にマスキングテープをはるより簡単で、確実に、綺麗に、曲面であってもマスキングができるのでめっちゃ便利なテクニックですよ!
失敗したらどうする?
スジボリやマスキングなど細かい作業が多いですが、失敗した場合はどうすればいいでしょうか?
答えは簡単です「失敗しないでください」(オイw)
スジボリであれば脱線してもパテなどを使って修復が可能ですが、テクニックも必要で綺麗に仕上げるのはかなり難しいです。マスキングのナイフが脱線して塗装面が傷ついたら塗装を剥がさないとリカバーできません。
もう何かとミスったら大変なので作業はとにかく力を入れず、ゆっくり、丁寧に、確実に行ってください。
数をこなせ必ずうまくなるはずです!(とかいいつつ僕もよくミスってますけど、変に修正するほうが目立つのでそのままのことが多いです)
こいつめちゃくちゃ言うな(笑)
窓枠を綺麗に塗れればカーモデルはグッとカッコよくなる!
窓枠塗装のHowtoいかがでしたか?
カーモデルで必須の作業のくせにその難易度と奥は深く、仕上がりが完成度に直結するめちゃくちゃ大事な工程です。
早く金型技術が超進化して窓枠が別パーツになる日が死ぬまでに来ないかなぁと思う日々です(笑)
とりあえずは数こなしていこうと思っています…
次回は戻って引き続きボディの加工編!
今回はボディ加工の一環として行う窓枠スジボリついでに窓枠塗装のやり方まで紹介しましたが、カーモデルの作り方シリーズとしてはまだ表面処理の途中です(笑)
次回は引き続きボディの表面処理編!スジボリ加工や完成度アップのボディ処理を紹介していきますよ!
製作Howto記事一覧はこちら
この記事から各製作記事にアクセスできます。
今回作製しているキット
組み立てやすくてお値段も安め、カーモデルの入門にピッタリです。ノーマルZの後期型にも組めます!
おすすめHowto本
合わせて読んで頂きたいカーモデル製作のお勧め本です。作業動画のDVD付き!