前回の記事はカーモデルのスジボリ方法の紹介でした。
現代のカーモデルは最初から結構深めのスジボリが入っていますが、金型からパーツを抜く都合上どうしてもスジボリが甘い箇所はありますし、やっぱりスジボリを入れ直しておくと仕上がったカーモデルがよりシャープに仕上がりますね。
今回からボディの塗装編に入ります。まず最初にサーフェイサーをボディに吹き付け本塗装前の準備をします。
ということで今回の記事はサーフェイサー吹き付け編。美しいボディが仕上がるコツを紹介しちゃいますよ。
サーフェイサーの吹き方
前回の段階で捨てサフはシンナーで拭き取ってしまいましたので、まず最初にサーフェイサーを吹いていきます。
サフ吹きの仕上がりが全体のクオリティや光沢感に大きく影響してきますので、ただのサフ吹きと侮らずしっかりと作業していきましょう!
ぶっちゃけ塗装よりサフ吹きのほうが大事です
ボディをしっかり固定しよう
ボディの塗装は全体にまんべんなく行うので手で直接パーツを持つことができません。ここは上の写真のようにタミヤのペインティングスタンドを使うのがおすすめです。
ボディの幅に合わせて調整できるクリップが付いていますので、しっかりとボディを保持することができます。
こういうスタンドを使わずにボディを保持したい方は、缶スプレーなどの容器に両面テープを貼り、屋根に貼り付けて持ち手にすると良いですよ!
サーフェイサーは何を選べばいいの?
個人的に愛用しているグレーサフはガイアノーツのサーフェイサーEVO一択なのですが、自分の使いやすいものであればタミヤやクレオスから販売されているサーフェイサーなどお好みのもので構わないかと思います。
というか最近はかつてない塗料不足で特にガイアの大瓶なんて全然買えませんので、あるものは何でも使うしかなかったりしますがw
サフの吹き方
まずはスジボリや奥まったところから
最初は塗料の入りにくいスジボリ部分やバンパーの奥まった部分から塗っていきます。
上の写真は吹き始めの段階ですが、見てもらえば分かる通りスジボリ部分はまだ黄色いまま(=塗料が吹き付けられていない状態)です。
この隙間をちゃんと塗装せずにボディばかり塗ってしまうと、最悪ボディとスジボリ部の色味が違うというトラブルの原因にもなりますので、最初は必ず隙間に塗装していくのがセオリーです。
スジボリ部にしっかりとサフを入れておくと、そこが影になり最後にスミ入れが不要なくらいボディに陰影を持たせることも可能です。
エアブラシは0.07MPaくらいの圧に設定し、絞りは少し絞って吹き付けましょう。
スジボリ部分が吹けたらフロントバンパーのダクト部分やリアバンパーのナンバープレート周辺などの奥まった部分をサフ吹きしていきます。
ということでスジボリや奥まった部分に吹き付けができました。
最初はこのように塗料が乗りにくい部分を中心に塗装すればOKです。
ゴミやホコリがついたら
カーモデルの塗装はゴミやホコリとの戦いです。
特にサーフェイサーは粒子が大きく静電気の発生原因になりやすいため、塗装しているとホコリが付着しやすいです。もうキレそう…
上の写真はまだ吹き始めでホコリも完全に塗料にくっついていないため指やピンセットでも取れそうですが、まずはあせらず塗料が乾くまで待ってください。
とはいっても中々待てないんですよねコレが…w
塗料が乾燥したのを確認したら、ラプロスの番4000番を使ってゴミを削り取ります。
先ほどピンセットで行けそうと書きましたが、ピンセットで取っても塗料に飲まれた部分が切れて残ってしまうことが多いので、僕は大体ラプロスで削り落としてしまっています。
紙やすりだとペーパーが硬く塗装面を傷つける心配があるのでおすすめしません。
柔らかく粒子が細かいラプロスはパーツの曲面に追従し傷もつけません。ここから先はガンガンラプロスを使って行くので、持っていない方は入手しておきましょう。
パーツのフチ、裏面を塗ろう
スジボリ部が塗装できたら本塗装に入る前にパーツの裏面にサフを吹いておきます。
これはあまり紹介しているモデラーさんは少ないですが、昨今のスケールモデルは精度も向上しパーツのフチがしっかり薄いので、表面にちゃんとサフが吹けていても色によっては透け感を感じるときがあります。
特に今回Z34のような隠ぺい力の低い黄色で仕上げる場合は、他の色より透け感を感じやすいので効果的です。
ちなみに先ほどまで塗装中のボディはペインティングスタンドで保持していましたが、裏面を塗るときはガッツリ手持ちです(笑)まだスジボリ部しか塗装していないので手持ちしても全然大丈夫です。
ということで裏面も塗れました。
裏側は全部塗る必要はなく、パーツのフチ近辺だけ塗装しておけばOKです。
全体にサフ吹き
いよいよ全体にサフを吹いていきましょう。
エアブラシの圧は0.09MPa、絞りは大きめに開いて塗っていきます。
全体に吹く時のコツはある部分に集中して吹くのではなく、まんべんなく全体を塗っていくことです。
カーモデルのボディのような大きなパーツに塗装する時に良くわかりますが、塗料のミストは想像以上に広範囲に吹き付けられます。
つまり意図しない部分にも勝手に色が塗られているワケです。
なのでドアパネルだけを塗り切って次の部分を塗装~というように特定の部分だけを集中して仕上げていくと、他の面を塗っているときに仕上がった部分にミストがかかって塗膜が無駄に厚くなってしまいます。
なので全体の様子を見ながら少しずつまんべんなく塗るように心がけてください。
全体を少しずつ塗る方法は塗膜が厚くなりにくく乾燥も速いので、ホコリが付着した場合のリカバリーがやりやすいのもメリットです。
ここでもホコリがついたらラプロスで取りながら進めましょう。
パーツが大きいと単純にホコリが付着する可能性が大きいのと、静電気をより多く纏いやすくなるためカーモデルのボディ塗装は普通の塗装よりホコリが付着することが多いです。
対策としては風のない屋外で塗装するか(無茶いうなw)せめて加湿器を使うなどして部屋の湿度を上げてホコリが舞いにくくしておくといいかと思います。
個人的には湿度50~70%くらいが塗装しやすく感じます
サフ吹き完了!
ということで全体にサーフェイサーが吹き終わりました。
綺麗に決まったサーフェイサー地は気持ちの良いものですね。
さぁそれでは本番の塗装へ…と参りたいですがちょっと待った!
これではまだ綺麗な塗装を行うことができません。サーフェイサーはあくまで下地塗料。下地はきちんと仕上げなければなりません。
次のページではサーフェイサーの仕上げを行っていきましょう。これをやらないと美しいボディ塗装ができませんよ。