前回の投稿でABCマントの塗装とアンテナのシャープ化、ダメージ加工が完了しました。
今回は塗装編。
折角ダメージ加工も施しましたのでそのまま塗っても面白くありません。
ここは僕のおハコのマホガニー立ち上げグラデーション塗装で立体感を強調してみましょうか。
グラデーション塗装は得意なんです
はたして頭頂高11cmの小型ガンプラをグラデーションで塗装できるのか!?
ABCマントの塗装
最初にマントを塗装しますよ。
マントの下地塗装
折角素晴らしい造形なので塗装も一つ気合を入れていきましょう。
まずはマントすべてをマホガニーサーフェイサーで塗装し下地を作ります。
- 下地:クレオス マホガニーサーフェイサー
裏面も表面もしっかり塗装しておきましょう。
マントの裏側の塗装(オリジナル表現)
ここでオリジナル表現。マントの裏側を赤く染めます!
- 1層目:蛍光オレンジ+モンザレッドでシャドー色を塗装
- 2層目:蛍光レッド+スーパーイタリアンレッドでグラデしてメイン色を塗装
マホガニーを一番下の影色とし、1層目と2層目でそれぞれ暗色とハイライトをグラデ塗装します。
ちなみに裏側を赤く染めた理由は「何となくマントの裏が赤いと海賊っぽい」のと「後継機のフルクロスに採用されているフルクロスユニットの裏側が赤いのでそれのオマージュ」のためです。
ロマンと設定を愛せ!
マント表側の塗装
マントの表側はキット指定のカラーに近いものを適当にチョイスして調色。
- ガイア:オリーブグリーン+Mr.カラー:タイヤブラック+ガイア:Exブラック
こちらも下地のマホガニーを残しつつグラデーション塗装します。
先ほど裏面を赤色に塗りましたので、表面を塗るにはマスキングが必要なトコロですが、ここはうまいこと表面からだけ塗料を吹き付けてノンマスキングで塗装しました。ええ面倒なだけですよマスキングがw
マント表裏のシャドー塗装
最も暗い部分を表現するために一番濃いグラデを入れます。
- クリアーブラック+フラットブラック+スーパースムースクリアー
このシャドー色はマントのフチや破れているダメージ部の焦げ表現として使用しました。
マントの表裏は光沢から半光沢で塗装していますが、このシャドー色はつや消しを混ぜているので光沢感としても違いが出てきます!
塗装できました
素晴らしいプラのうねりに合わせてシャドーを入れ込んだことでグッと立体感が増しました!
チラ見えする裏側の赤により前後のマントに遠近感を出すことに成功。
裏側から見ると邪悪なレタスみたいになってしまいましたw
けど中々カッコいいと思うのですがいかがでしょうか?
本体にかぶせてみました。
塗装前と比較。光沢感もいいんじゃないでしょうか?
プラ製のABCマント、とてもいい造形してますよね。布製に比べると厚みがあるのは仕方ないですが見た目や形状は断然こっちが上ですね。
満足にマントの塗装もできましたので、本体の改修に入っていきましょう。
ホワイトの塗装
立ち上げ塗装はめちゃくちゃ手が疲れるので、エアブラシのトリガーを引く指が新鮮なうちに部品数の多いホワイトを塗ってしまいましょう(笑)
- マホガニーサーフェイサーを下地に、Exホワイトで立ち上げ塗装(3~4倍希釈)
RGやMGのようにフレームに装甲を取り付けるタイプのキットを立ち上げる場合は、最終的にフレームに組み付けて仕上げの塗装をするので、パーツ単体の状態ではグラデーションをキツめに残しておきます。
これがフレームに組み付けて仕上げを行った状態。
左が部品単位で塗装したものを組んだ状態で、右側がその上からさらにExホワイトを重ねてグラデーションをやわらげつつ全体の色味を整えたものです。
部品単体ですべてのパーツを同じ色目に揃えるのはとても難しい(特にホワイトは)ので、このように組み立てて仕上げの塗装を行うほうが確実です。
この方法で塗装するとフレームが塗装で汚れますが、気にせず塗装して最後に関節グレーを普通に塗れば元の色は隠れるので問題ありません。
腕も塗装しました。
こちらも左が仕上げ前で右が仕上げ後。仕上げ後のほうがより自然でキレイな発色になっています。
これをやるとグラデーション塗装してもクドい仕上がりにはなりません
黒立ち上げやマホガニー立ち上げによるグラデーション塗装の最大の欠点は「うまくグラデをコントロールしないと汚くなってしまうところ」
先ほどの写真も左側の状態で満足して組んでしまうと、本来のホワイトの発色にならないので仕上がりが濁ったような色味になってしまいます。
汚くならないように立ち上げるにはフチギリギリにだけグラデーションを残すこと。中央はきちんと本来のホワイトを発色させておけば汚く見えません。
やり方は簡単。
ある程度セオリー通り中心部が一番白くなるようにグラデーション塗装した後、最後にエアブラシの絞りを開けて遠めから全体をフワッと塗装するだけ。
これだけで中心部はより白く、グラデが残っているエッジはうっすらボケ、白とグラデの境目がより滑らかに繋がります。
ホワイトを塗った段階で組み上げてみました。
どうでしょう?抜群に立体感が強調されたと思いませんか?
ちなみにこの段階では一切スミ入れしていませんがドクロの立体感も良い感じです。
マホガニーがエッジに残っているのでまるでスミ入れしているように仕上がります。スミ入れの手間も省けてちょうどいいですよ(笑)
ちなみに今回の塗装はすべて0.3mmのエアブラシで塗装しています。下のクレオスのセット。
オススメエアブラシ記事もまとめてありますので興味のある方はぜひ読んでみて下さいね。
イエローの塗装
イエローも立ち上げます。
- 成型色にクリアーオレンジでシャドー吹き → MSイエロー+マイルドオレンジを調色して立ち上げ
イエローは発色が厳しい上、もろに下地の影響を受けるのでマホガニーは使えません。
ここは下地の影響を受けやすいイエローの特性を利用します。
成型色の上からクリアーオレンジでシャドーだけを吹き、その上に目的の色を拭きます。こうすることで成型色の上は正しいイエローが発色し、クリアーオレンジの上は隠ぺい力の弱いイエローにクリアーオレンジが滲んできてシャドーがかかったように発色します。
キレイにイエローをグラデしたい方は試してみてください。
組み立ててみました。
ちょっと分かりにくいですが、実物はちゃんとシャドーになっていますよ。
レッドの塗装
赤は部品点数が少ないけど、グラデするのは難しい…。
- マホガニーサーフェイサーを下地にして、白サフでホワイトを立ち上げ塗装
- その後ブライトレッド+蛍光オレンジを上塗りしてグラデーション
赤もイエローと同じく下地の影響を受けやすい色なので、マホガニーのまま立ち上げると正しく発色しません。
ここはいったんマホガニーの上にホワイトで「エッジにのみマホガニーを残し」ながらグラデーション塗装をして発色を良くするための下地を作り、その上にレッドを塗ることでホワイト下地の上は正しいレッドを、シャドー部だけは濁ったレッドを表現します。
これは別に変った技法でもなんでもなくて、白立ち上げという塗装方法です。
一般の白立ち上げは本塗装にクリアーカラーを使用することが多いですが、クリアーカラーの上塗りは均等に仕上げるのが難しいので、僕は普通の塗料をいつもより薄めに希釈して全体を塗装してしまいます。上塗りするだけでシャドー部は勝手に滲んでいきます。
ブルーの塗装
これもマホガニー立ち上げ
- 下地:クレオス マホガニーサーフェイサー →
- 本体色:MSブルーZ系+クレオス パープル+ガイア蛍光ピンク+Exブラックで立ち上げ
漫画のクロスボーンはブルーというよりブラックに近い部分ですが、キットの色味がいい感じだったので漫画とキットの中間くらいの濃いパープルに仕上げることにしました。
レッドとブルーの調色に蛍光カラーを混ぜていますが、これは蛍光カラーによる発色向上を狙ったものです。
Max塗りやセンチネル塗りはこの蛍光カラーの発色がキモですが、Max塗りに近いマホガニー立ち上げでも同様の発色効果は期待できますので僕は毎回入れています。
詳しい説明は長くなるので省きますが、染料系蛍光カラーでないと発色向上の効果が発揮されませんので、蛍光塗料はクレオスではなくガイアノーツのものを使ってください。
あと蛍光カラーを使用したらエアブラシは徹底的に洗浄しておきましょう。後の塗装でエライことになりますよ。
関節の塗装
最後に関節グレーを塗装します。グレーは一番部品点数が多いです。
KPSのパーツが多いのでヤスリで発生したケバは丁寧に取り除いて塗装に備えましょう。
- ガイアノーツ NAZCA メカサフ ヘヴィ
関節色は親の顔より見たメカサフヘヴィ(笑)今回も成型色に近いナイスグレーです。
ノンサフでぶわっと吹き付けるだけでベストな色味とツヤ感になります。
関節だけはグラデーション塗装しません。
関節までグラデーションするとクドくなるのと「正直小さすぎるのでカンベンして」というところが本音(笑)
僕は普段から関節色はグラデしません
メカサフはつや消しに仕上がるのでスミイレすると少々滲みます。その滲みで若干トーンが付くのでグラデしなくても雰囲気は出ますよ。
クリアーパーツの塗装
クリアーパーツは造形も素晴らしいのでそのままでも楽しめますが…
エフェクトパーツはキレイに塗装してあげるとグっと良くなるので頑張って塗りました。
- ビーム全体:蛍光ピンク
- ビーム部のフチ:クリアーブルー+クリアーパープル+蛍光ピンク
- ビームのハイライト部:蛍光ピンク+クリアーホワイト+ピュアホワイト
アニメやゲームのビームエフェクトをよく見てそれっぽく塗装します。
ビームのモールドがちゃんと入っていますので、そこを中心に細吹きでハイライトを入れ、外周部はパープルに変化するようにグラデーションを付けてあります。
このあたりは色々試してトライあるのみ
基本塗装はこれにて完了
指が凹みまくるグラデーション塗装は何とか乗り切りました(笑)
次回は組み立て編
部分塗装をしながら組み立てて次回で完成です。