スジボリをまたぐデカールの処理
側面のストライプデカールは貼りやすくするために1枚ものになっていますが、そのまま貼るとボディとドアのスジボリ(パネルライン)をデカールがまたいでしまいます。
ここをそのままにするとデカールが浮いてしまい研ぎ出し時の剥がれの原因になってしまいます。
研ぎ出さないとしても本来開くはずのパネルラインにデカールがまたぐのもカッコ悪いので処理してみましょう。
ナイフの先をパネルラインに入れてデカールを分割します。
ナイフの刃は新品を使いましょう。デカール台紙などを切ってなまくらになったナイフで切るとカット面がガビガビになります。
デカールの分割線にマークソフターを流し込みます。
このときソフターはできる限り瓶のフチなどでしごいて、余計な部分にソフターが付かないように作業しましょう。今回のようにカルトグラフ製ではないデカールの場合、ソフターでシワシワになってしまうことがあるので必要な部分に最低限の量を塗るのがコツです。
平筆の先端をスジボリに差し込むようにしてカットした余白をスジボリの中に押し込んでなじませます。
こうすることでスジボリをまたぐデカールもまるで最初から分割されているように貼り込むことができます。
平筆はマジ万能の武器。
ボディの端まで届くデカールの貼り方
今回作っているZでは存在しませんが、いい機会なのでボディの端まで伸びるデカールの端面処理の方法も紹介します。
こちらはタミヤのWECレーシングガーTS050です。デカールの赤ストライプがホイールハウスのフチまで伸びています。
こういうデカールはストライプが途切れないように若干長めに作られていることが多いのですが幅が広いとホイールハウスなどの曲面に巻き込むのが難しいです。
ここはまずデカールをホイールハウスなどボディの端から0.5mm程度はみ出させて貼り付けます。
写真のようにナイフを使って端面に対して垂直方向に細かくカットを入れます。
その後カット面にマークソフターを薄く塗布し、デカールを柔らかくします。
最後に平筆か指を使って内側に巻き込みます。ソフターを塗っているのでデカールが綺麗に折れ曲がって潰れるのでホイールアーチなどの曲面にも綺麗に馴染みます。
このように切り込みを入れておけば大判デカールでもシワなく端面に折り込むことができます。知っておくとかなり使えるテクニックです。
内側に折り込むことでホイールハウスのフチまできっちりとストライプが入りました。
途切れて白い部分が見えているとカッコ悪いですから、ここが丁寧に処理されていると気持ちいいです。
より綺麗に仕上げたい方はデカールと似た色でホイールアーチの端面を塗装してあげるとグッと完成度が上がります。
目立ちにくい場所ですし面積も小さいのでこの塗装は筆塗りで十分です。
個人的に基本カーモデルのデカール貼りには限界までマークソフターは使わない派ですが、こういう端の処理などで折り込む場合や、仮にしわになっても目立たない場所には積極的に使っています。
ソフターにも色々ありますが、基本クレオスのソフターで十分です↓。
平筆を使えば大判デカールも怖くない
ということで今回はカーモデルやバイク模型といったスケールモデルに使えるデカール貼りテクニックでした。
平筆を使えばある程度の曲面でもソフターを使わずしっかりと貼り込むことが可能です。ぜひためしてみてください。
このキット、これからレーサーのプラモデルも作ってみたいけどデカールが難しそう…と思う方の練習台にピッタリなキットかと思います。
作るのも簡単でカッコいいのでとてもおすすめ。
デカールの乾燥時間ってどのくらい?
貼っているデカールの大きさにもよりますが、最低3日~1週間程度乾かすのがおすすめです。
あまりに長期間乾かす必要はありませんが、基本的にデカールの乾燥が甘いメリットはなにもないので、しっかりと乾燥期間をとりましょう。
また熱により塗装面やデカールが引っ張られてデカールがひび割れが発生する原因になることがあるので、乾燥させる際はドライブース(食器乾燥機)やドライヤーは使用しないようにしましょう。
デカールはデリケートなものなので、できるかぎり自然乾燥させるのがベストです。
次回はデカールのクリアーコート編
しっかりとデカールを乾燥させたら次は研ぎ出しに向けてクリアーを吹いていきましょう!
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今回作製しているキット
組み立てやすくてお値段も安め、カーモデルの入門にピッタリです。ノーマルZの後期型にも組めます!
おすすめHowto本
合わせて読んで頂きたいカーモデル製作のお勧め本です。作業動画のDVD付き!