前回の記事でリア周りが完成しました。
今回はバイク模型のキモであるマフラー塗装回です。
展示会でバイク模型を展示していてもカウルの仕上げとマフラーの塗装はとても良く見られます。みんな仕上がりが気になるんですねぇ(笑)
鮮やかな色味で焼き色を付けたマフラーは模型的には見栄えが良くてカッコいいのですが、リアルなバイクを知る人にはちょっとウソくさく感じたり大げさに見えてしまうものです。
というワケで今回はがガッツリと実車らしい焼け色を再現してみようと思います!
マフラーの製作
マフラーの組み立て、改造
マフラーはよくある箱組なので、接着して合わせ目を消します。
そしてマフラーのキャタライザー(箱状の部分)に前々回のスイングアームの溶接再現と同様に伸ばしランナーで溶接痕を再現してあげました。
裏側も抜かりなく溶接後を追加。
特にキャタライザー中央にある線溶接痕(おそらく内部でバッフル板を保持している)は実車通りの焼け表現に必須なので忘れずに。
これが実車のキャタライザーです。
中央部に横一直線に焼けが走っていますが、ここが先ほど書いたバッフル溶接部だと思われる箇所。
さらにテール側も変わった溶接肉盛りがされているので伸ばしランナーで再現しました。(写真忘れましたw)
キャタライザーの塗装
まずは塗装結果をお見せします
実車資料とにらめっこして塗装してみました。試しに本体に取り付け。
いいんじゃないですか!?
もう一度キャタライザーと比較してみましょう。
いいでしょう!?というわけで塗装方法をご紹介。
①:キャタライザーの下塗り
キャタライザーから塗っていきます。
溶接痕を再現するためにサイレンサーとキャタライザーを接着してしまっていますが、サイレンサー部は後からマスキングして塗り分けるので今は塗らなくてOKです。
- 下地:ガイア サーフェイサー エヴォ ホワイト
- 塗装色:クレオス スーパーチタン
この後の塗り重ねでどんどん濃くなっていくので最初は白サフ下地の明るいシルバーで塗装しておきます。
少しシルバーに黄色味が欲しかったので、スーパーチタンで塗っておきました。
②:溶接痕の塗装
続いで先ほど伸ばしランナーで再現した溶接痕に焼き色を付けます。
- 塗装色:クリアーブラック(70%) + クリアーパープル(30%)
真っ黒だと溶接の肉の色に見えませんのでクリアーパープルを混ぜてみました。
シャバシャバ気味に希釈して(というよりクリアー塗料なのであまり希釈しなくてもシャバシャバになります)エアブラシ細吹きで伸ばしランナー溶接痕部をなぞるように塗装します。
ここで塗った色がそのまま溶接痕の色になりますので、結構濃いめに塗っておくと良いです。
クリアーブラックだと中々黒く染まらない…となった場合は、クリアーブラックではなくセミグロスブラックをほんのちょっとだけ加えてあげると塗りやすくなりますが、それをやると今度は一気に黒くなってしまうので少しづつ塗りましょう(笑)
③:溶接焼けの表現
溶接の肉部分は黒に近い青紫という色味ですが、その肉の周辺は茶色く焼けています。
先ほどの塗装は黒に近い青紫の表現だったので今度は周辺の茶色焼けを表現します。
まずは先ほどの溶接焼け表現を保護するためにマスキングします。
普通のマスキングテープでも良いですが、貼り付け位置の微調整が難しいので両面テープを使うと簡単です。
両面テープを1~1.5mm程度に細切りしたものをこねて細くしたものでマスクすると位置の微調整が効きますし、テープの繊維質により溶接の境目特有のジャミジャミ感(?)も表現できるので一石二鳥。
テープは色々ありますが日東の再剥離可能タイプが塗装面に優しいのでオススメです。
マスクができたら焼け色を付けます。
今回かなり複雑なマスキングが必要で結構大変でした。あちこちにテープがあるおかげでうかつに触れません(笑)
- 塗装色:クリアーブラウン(30%)+クリアーパープル(70%)
希釈は先ほどと同様薄めにしてマスキングの上をなぞるように塗装します。
写真の色だとクリアーブラウンがかなり多めに見えますが、クリアーブラウンはかなり主張するので少なめで十分です。逆にクリアーパープルは全然主張しないのでいつも多めに入れています。
④:焼け部の微調整
先ほどの段階だと少し焼け色を付けすぎているように思われますので、上からシルバーを再塗装して微調整します。
クリアーブラウンはちょっと飛び散るだけで悪目立ちするので、この修正作業は割と大事です。
- 塗装色:クレオス スーパーチタン 細吹き
最初に塗ったシルバーと同じ色で塗ればOK。なので今回はスーパーチタンを使用。
吹きすぎた焼け色部分をうっすらの残しながらシルバーを上塗りするとじんわり焼けた感じも出せちゃいますので、仕上がりを見ながら微調整してください。
④:スミ入れ
ここからぐっとリアル感が出てきます!
マスキングテープを付けたまま全体をスミ入れブラックでウォッシングします。
これにより焼け色部はさらに濃くなり、シルバーの色味は使い込んだ色味になります。
さらにマスキングをしたままスミを入れることで溶接肉と焼け部の境目になる一番濃い部分に墨が入り、焼けシミのような表現を入れることもできますのでぜひお試しください。
マスキング両面テープをはがしてみました。中々リアルじゃないですかね?
こちらは実車の画像。(向きが逆で申し訳ない)
↑キットの画像。
実車の画像。いい感じ!とても満足な仕上がりです。
サイレンサーの塗装
サイレンサーはキットでも指示されていますが2色ツートンです。
- マフラー出口部、接続部バンド:ガイア Exシルバー
- サイレンサー中央部:ダークステンレスシルバー
- トップコート:全体をクレオス スーパースムースクリアーを薄めにコート
艶消しクリアーは吹きすぎると雰囲気を損なうのでさらっと吹く程度にとどめておきましょう。
エキパイの塗装
エキパイは先ほどのキャタライザーと同じくチタンシルバーベースで塗りました。
- 下地:ガイア サーフェイサー エヴォ ホワイト
- ベース色:クレオス チタンシルバー
- 全体のコート色:ガイア クリアーブラウン(薄く)
- マフラーのエンジン側:ガイア クリアーパープル + ガイア クリアーブルー + ガイア クリアーブラック
- マフラーのキャタライザー側:ガイア クリアーブラック + ガイア クリアーパープル
塗装ができたらウェザリングマスターDの青焼けでエンジン側をさらに青く、ウエザリングマスターBのススでエキパイ全体を汚してツヤを落とします。
マフラーの青焼けは塗装で鮮やかにするには限界がありますので、ここはウェザリングマスターで青くしたほうが早いですし色味も良いです。
マフラーを組み上げてみました
バイク乗りの方だったら「そうそうコレコレ、マフラーなんてきったねぇんだよ」といった雰囲気で仕上がったと思いますがどうでしょうか?
ウェザリングマスターやウォッシングで汚しを入れることでグッとリアル感を出すことに成功しました。
実車のエキパイはかなり真っ黒に焼けていますので、そんな雰囲気を狙ってます。
いい感じに仕上がって一安心です。
ちょっと仮組してみましたが、ものすごくリアルでいいんじゃないでしょうか??
R1Mだけでなくバイク全般に言えますが、良く乗られている個体ほどエキパイが濃く黒く焼け、焼けシミや焼けムラが目立ち、特に鉄製のエキパイはキレイというより汚い焼け色になっていきます。
特にサーキットでブン回された個体は熱の影響で真っ黒になったりします。
バイク模型では色鮮やかな焼け表現が人気ですが、実車でそのような焼け色は意図的に付けられていることが多く、性能重視で乗ってナンボのスーパースポーツではそのような仕上げはデモカーでない限り行われません。
今回はバリバリ乗られているスーパースポーツの雰囲気を再現してみましたが、伝わっていると嬉しいです!
ちなみに結構ミスってます
今回は気に入った仕上がりに中々ならず、2回ほど塗りなおしています。
これはミスったキャタライザー。火災後かな(笑)
これはミスったエキパイ。なんだこの色カビでも生えたんか…(笑)
マフラーの塗装は希釈の都合上塗膜が薄いので失敗したらそのまま再塗装してもなんとかOKだったりしますが、剥がす場合はクレオスのMr.うすめ液を含ませたキムワイプや筆で拭き取ればきれいに剥がせます。
ペイントリムーバーもありますがプラへのダメージが大きいと最近思うのでオススメしません。
失敗してもやり直せばいいので、納得いくまで挑戦しましょう~!
説明が長くなりましたが今回はここまで!
というワケで今回はここまで!
ライダースーツVer.で塗装したFAガールレティシアとパシャリ。こういう楽しみも雑食モデラーならでは。このFAガールレティシアのレビューもあるので是非読んでね。
次回はマフラー取り付け編
次回はラジエターなどを作り、リアルに塗れたマフラーを組み付けていきます!
製作レビュー記事一覧はこちら
この記事から各製作記事にアクセスできます。
今回作っているキットはこちら!
完成品も販売されてます!