前回の記事でエンジンが完成しました。流石は最新キット、精度も見栄えもサイコーです。
今回はフレーム回りを作っていきましょう!
フレームの合わせ目消し
製作記第一回目で仮組まで終えており特に問題がないことは確認しているので、フレームを接着して合わせ目を処理してしまいます。
パイプ状のフレームは接着しろが少ない上に入り組んだ箇所が多い(ヤスリがかけにくい)ので、合わせ目の処理は速乾タイプの流し込み接着剤でムニュ着するのがオススメです。
速乾タイプなら乾燥が速いので次の日には合わせ目を削れますし、ムニュった部分も柔らかいので入り組んでいてもヤスリがけかしやすい点もGOOD。
ガンプラの合わせ目消しにはついつい瞬間接着剤を使ってしまいますが、スケールモデルの合わせ目消しは組み立て後にも割れにくいプラセメントのほうがおすすめです。
フレームの塗装
実車のメタリックグリーン塗装
キットの指示だとX-11(クロームシルバー)にX-28(パークグリーン)を混ぜてメタリックグリーンを塗装する指示になっています。
しかし実車のH2Rの写真を良く見てみてください(キットの箱絵にも載っています)。メタリックグリーンというにはメタリック感がなく透明感が強いです。
これはおそらく下地を先にシルバーで塗った後にクリアーグリーンでコートするいわゆる「キャンディ塗装」で塗られているのだと思われます。
折角ですので実車と同じ色味にするためここはキャンディ塗装で塗ってみます。
正しい手順を踏めば難しいことはありません。
まずは下地を塗装します
- 下地色:ガイア サーフェイサーエヴォ ブラック
キャンディ塗装だろうがメタリック塗装だろうが、シルバーを塗装する前は下地は黒がオススメです。
メタリック粒子が黒下地をバックにキレイに反射するので輝きと発色が良くなります。
光沢黒だとギラツキが出すぎてしまいますので、僕はいつもガイアの黒サフを吹いて表面処理と一緒に下地塗装を終わらせています。
フレームのマスキング
フレームの一部はセミグロスブラックで塗装する指示になっていますがそこは先ほど塗った黒サフで代用ができるので、フレーム色を塗装する前にセミグロスブラック指示の箇所をマスキングで隠してしまいます。
マスキングテープを切り出してマスクします。
パーツの形状的にテープがめくれやすいので、テープの上からマスキングゾルを塗って穴をふさいでしまいましょう。
テープとゾルを併用すればマスク効果は抜群です
特に僕も愛用しているマスキングゾル改は水溶性のため水で濃度を調整することができますので、細かい部分を筆塗りしてマスキングしたり、塗装後も水につけておけば剥がれてくれるので簡単にゾルを除去することができるのでイチオシです。筆も水で洗えばOK
シルバー塗装
キャンディ塗装には基本ルールがあります。
- 下地がシルバーであること
- 上塗りする塗料はクリアー系塗料であること
この2点です。これだけ守ってもらえればリンゴ飴のようなテロテロ塗装が行えます(笑)
- 塗装色:クレオス スーパーチタン
というワケでシルバーを塗りました。
少し重めのグリーンにしたかったので下地を暗めのチタンシルバーにしておきました。
下地のシルバーのチョイスでも結構仕上がりに違いは出ますのでぜひ色々試してみてください。
同じキャンディグリーンで塗る必要のあるスプリング、トップキャップ、写真にはありませんがD33パーツも一緒にチタンシルバーに塗っておけば工程がまとめられます。
スプリングは金属製なので、ガイアのマルチプライマーを塗布してから黒サフを吹いています。
マルチプライマーは金属パーツやポリパーツ、レジンにまで食いつく非常に便利な下地材です。
クリアーグリーン塗装
いよいよキャンデイ塗装をしていきます。
が、そのままクリアーグリーンを吹いても実車のようなグリーンになりません。
模型用のクリアーグリーンはH2Rに使われているグリーンよりだいぶ濃いんですよね。
というワケでクリアーイエローとクリアーグリーンを混ぜてクリアーイエローグリーンを作ることにしました。
- 塗装色:ガイア クリアーイエロー + ガイア クリアーグリーン(比率8:2)
上の塗装後の画像の色味、結構実車に近めの良い線ついてると思うのですがいかかでしょうか?
これクリアーイエローとクリアーグリーンの調色比率はまさかの8:2。クリアーイエローがほとんどなのです。
キャンディ塗装は吹いてみるまで仕上がりが分かりにくい
キャンディ塗装は作った色と吹き付けた後の色が異なるケースが多いのです(下地の影響を受けるため)。
仕上がりが心配な場合は必ずテストピースに試し吹きしてから本塗りすることをオススメします。
僕も失敗しそうな塗装は毎回テストピースで試し吹きしています
キャンディ塗装の注意点
キャンディ塗装の際に少し気を付けてもらうことがふたつあります。
①クリアー塗料は吹き付け直後と乾燥後で色味が変わる
クリアー色はほとんどの色で吹き付け直後より乾燥後のほうが色が濃くなります。
吹いた直後にちょうど良いくらいだと乾燥後にずいぶん暗くなったりするので要注意!
②クリアーカラーは塗装ムラが出やすいので吹き付けに注意が必要
クリアーカラーは色を重ねるほど濃くなるので、パーツを満遍なく塗装していかないとムラになってしまいます。
H2Rのフレームはパーツが細いので多少ムラになっても目立ちにくいですが、塗料の入りにくいところを先に塗ったりして塗料の溜まりやムラが出ないように気を付けましょう。
クリアーカラーは塗料が流れやすいので低圧で吹いたりエアブラシを離して吹いたりするのも失敗しにくいコツです。
キャンディグリーン塗装完了
塗装も終わりマスキングを剥がしてみました。なかなか良い感じに仕上がり一安心。
マスキングが失敗していた場合は
マスキングから漏れて塗料がはみ出してしまった場合は黒サフ部なら筆でリタッチ、キャンディ部やメタリック部はこだわるならエアブラシで塗りなおして修正したほうがキレイに仕上がります。
エンジンをフレームへ取付
フレームの塗装が完了しましたのでエンジンブロックを取り付けましょう。
最初に説明書にしたがってパイピングを進めます。
エンジンのパイピング
ビニールパイプは自分でカットする必要がありカット長は説明書に記載されていますが、初めての方はちょっと不安かもしれませんね。
けどご安心ください。
タミヤの取説にはパイプのカット寸法が実寸の図で記載されていますので、定規等がなくても説明書にケーブルを当てることで長さを出す事ができます。
タミヤの優しい配慮が沁みる…
パイプはカッターナイフを使ってなるべくまっすぐカットするのが美しく仕上げるコツです。
H2Rはパイプが細いものと太いもの2種類付属していますので間違えないように切ってください。
ということでパイピングもできました。
いよいよエンジンの組付け
これ以降はエンジンに手を加える場合はビスを外す必要が出てきますので、デカールの貼り忘れや塗装忘れがないように確認しておきましょう。
塗膜を引っ掻いて剥がしてしまわないように慎重にエンジンをはめ込みます。(とは言ってもH2Rは結構余裕があるのであまり心配しなくて大丈夫です)
その後ビスを使用して固定しますが、相手はプラスチックなので締めすぎると簡単にねじを舐めてしまいますので注意。
力加減が不安な方は付属のドライバを親指と人差し指でつまんで回すくらいの力加減で締めると舐めにくいのでオススメです。
仮に舐めてグズグズになってしまたら、めねじ(エンジンの穴)側に瞬間接着剤を入れて固まる前に締め込めば復旧可能です。穴に瞬着を流す時は瞬着ノズルを忘れずに。
ビスの締め付けは付属ドライバーよりも専用品がおすすめ
キットにはミニドライバーが付属しますがビス頭へのひっかかりが少々弱いです。
タミヤからは非常に使い勝手のいい専用のドライバーが発売されています。
後半のカウル取り付け作業などではさらに慎重な締め付けが要求されるので一本持っておくと便利ですよ。
フレームの完成
キャンディ塗装も綺麗に決まってカッコいいエンジン回りが仕上がりました。
素組みでコレですよ!バイク模型の精密感はたまりませんね!
ここまでで説明書の5番まで完成です。
次回はスイングアームの製作
フレームが完成したので次回からスイングアームの製作に入っていきます。
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