前回の投稿でボディができたので、今回は足回りとシャーシを作っていきます。
カーモデルの足回りは車高調整機構や簡略化のため省略されがちな箇所が多いのですが、タミヤのNDロードスターは再現性重視でサスアームやスプリングなどもきっちり再現されています。
しかもロードスターの象徴ともいえるパワープラントフレームも組み立てることができ、作ることでクルマの構造を知ることができるキットとなっています。
こういう作る楽しさを味わえるのがタミヤキットの良いところ
では早速作っていきましょう。
足回りパーツの塗装
サス、スタビの塗装
本キットは珍しくスタビライザーも付属しています。
スタビリンクは付いていないので自信のある方は再現してみては!?
- 下地:サーフェイサー エヴォ(グレー)
- スプリングシート:タミヤエナメル フラットブラック
- スタビブッシュ:タミヤエナメル フラットアルミ
サスは表面処理後サフチェックしてからガイアのブライトレッドを塗装し、ばねの隙間やスプリングシートをエナメルのフラットブラックで、ナックルとの接続部をエナメルのフラットアルミでそれぞれ筆塗りしました。
純正の足回りは真っ黒ですが、プラモデル完成時の車高が実車より低いのでチューンした足回りということにしておこうと…と赤に変更しています。
ノーマル形状で赤いサスとスタビといえばオートエクゼ(AUTOEXE)のパーツですね。
エクゼのバネはあまり車高が落ちない(笑)
スタビライザーを保持するラバーはエナメルのラバーブラックで塗りました。
スケールモデルは完成後にべたべた触ることがないので、これら部分塗装はすべて筆塗り塗装しやすいエナメル塗料でおこなっています。
エナメルの筆塗りは良い筆を使うと格段に上手く行えます。
僕は下記の文盛堂の面相筆を愛用しており、この筆は本当にキレイに筆塗ができるのでオススメです。
ホイールの塗装
ホイールはシルバーに塗装。こちらも国内では純正カラーではありません。
- 下地:ガイア サーフェイサーエヴォ ブラック
- 塗装色:ガイア Exシルバー
ロードスターの純正ホイールは光沢ブラックなのですが、個人的にスポーツカーのホイールは軽快な色が好きなのでシルバーにしておきました。
ちなみに競技向けのNR-A仕様は上記写真と同じシルバーのホイールになっています。
個人的にはホイールはハイパーシルバーくらいさわやかな色が大好物なので、昨今のRAYSやWedsよりかはOZなんかが好きですね~。
付属タイヤにはASPECと刻印されており時代の違いに泣けてきます(笑)
コストのかかるゴムタイヤはなるべく流用してコストを抑えたいというメーカーさんの努力を感じ取れ!(泣)
足回りの組み立て
足回りパーツの塗装
- 黒いパーツ:ガイア サーフェイサー EVO ブラック
- シルバー:下地 黒サフ → ガイア Exシルバー
- サスロワアーム:タミヤ エナメル フラットアルミ(筆塗り)
- タイロッド:下地黒サフ → 軸部をエナメル フラットアルミ(筆塗り)
- ブレーキディスク:下地黒サフ → Exシルバー → エナメルブラックウォッシング
- ブレーキキャリパー:タミヤ エナメル レッド (筆塗り)
フロントアンダーパネルをシルバーに塗り分ける際のマスキングが難しいですが、テープとマスキングゾルを使用して攻略しました。
マスキングゾルは「マスキングゾル改」などの水性タイプを使い、水で少し薄めて筆塗りするとかなり細かくマスキングができます。
フロントロワアームやアルミブロック系、タイロッドのシルバーはエナメルのフラットアルミ筆塗り。
パワープラントフレームやディスクローターはガイアのExシルバー。
ブレーキキャリパーはエナメルのレッドを筆塗り。
ちなみにマツダ車にはブレーキキャリパー塗装という熱いディーラーオプションがあります(しかも4色から選べる)
ディスクローターやアンダーパネルのシルバーは使用感を出すためにタミヤのスミ入れブラックを使ってウォッシングを施し、適度に汚しておきました。
いちいちエナメル塗料をシンナーで溶いてウォッシング塗料を作るのは手間なので、普段のウォッシングはこのスミ入れ塗料を使っています。
この塗料に使われる溶剤はエナメル溶剤よりプラに優しいので、割れなどが起きにくいのもメリットです。
パワープラントフレーム連結
取扱説明書ではシャーシに前後の足回りを別々に組み付ける方式になっていますが、先に前後の足回りを接着して自立させることもできます。
ということで接着してみました。
これこそカーモデルの醍醐味じゃあないですか!
いや~いいですね。
市販車のカーモデルでこの光景が拝めるように設計されているタミヤのNDロードスターは素晴らしいの一言。
だいたいシャーシ裏は省略されるモデルが多いですからね。
後ろ側から。
感心したのはちゃんとバチッと四輪接地している点です。
特に気を使って組んだわけではないのですが、しっかりと四つのタイヤが大地を掴んでいます。
昔はシャフトを使って左右の車輪をつないでも4輪接地しないキットとかありましたねぇ(笑)
ところでパワープラントフレームって?
見出しに書いたパワープラントフレーム(PPF)ですが、これは上の写真のドライブシャフト横にあるトラス状のフレームのことです。
このフレームでフロント側にあるミッションケースとリア側にあるデフケースを繋ぐことで剛性を向上させ、デフの首振り現象によるトルク損失の抑制やトラクション向上に繋げています。
PPFはマツダのFR車の基本構造として採用されており、ロードスターだけでなくRX-7やRX-8にも採用されています。
大型のパーツで重量がかさむので市販車にもかかわらずアルミ製でできておりマツダの熱意を感じてしまいますが、その材質がネックなのか亀裂や割れが起きやすく長期オーナーや中古車を探している方は入念にチェックしたいところでもありますね。
PPFがダメな個体は走りもイマイチだぞ
足回りの組み立て完了
ボディと並べてみました。
折角良く見えるパワープラントフレームですので、こういう展示形式で作るのも楽しそうですね。
クルマの内部構造を見る事ができるキットはやはりドキドキワクワクします。
続いてシャーシの組み立てに参りましょう。
シャーシの製作
シャーシの塗装
シャーシは1パーツに複雑な塗り分けが指定されています。
- X-18 セミグロスブラック
- XF-1 つや消しブラック
- X-32 チタンシルバー
- XF-19 スカイグレイ
- XF-24 ダークグレイ
特にスカイグレイ、ダークグレイなどはタミヤ専用カラーなのでラッカー塗装派は近い色を探しておく必要がありますね。
僕は実車の写真をネットで調べて独自解釈で塗ってしまいました。
それでは以下に僕が塗った塗装レシピを示します。
X-18 セミグロスブラック塗装指定部
- ガイア サーフェイサーエヴォ ブラック
シャーシ裏面の黒色塗装指示はセミグロスブラックとなっていますが、個人的にシャーシ裏の塗装に光沢感は感じないので黒サフで塗りました。
XF-1 つや消しブラック塗装指示部
- ガイア サーフェイサーエヴォ ブラック
シャーシ反対面(内装側)はつや消しブラックで塗るように指定してありますが、完成後はほぼ見えない場所なので、XF-18のセミグロスブラックを塗る時に一緒に黒サフで塗ってしまいました。
行程ひとつ短縮です。
X-32 チタンシルバー塗装指定部
- タミヤ エナメル フラットアルミ(筆塗り)
流石に市販車にチタンカラーはないでしょう…と思ったのと、細かい塗装部は筆塗りのほうが楽なので筆塗りしやすいエナメルのフラットアルミを使いました。
フラットアルミは大面積でも筆塗りしやすく、発生する筆ムラも結構いい感じに仕上がるので車体部品にもおすすめです。
このキットを作った当時、タミヤからはアクリルとエナメル塗料しか販売されていませんでしたが、最近はラッカー塗料も販売しており大変高品質かつ既存のアクリル塗料やエナメル塗料と全く同じ色が出ると言う優れものです。
下記のリンクでラッカーのフラットアルミについてレビューしいますのでぜひお読みください。
当時にラッカーのフラットアルミがあればどんなに楽だったか…
スカイグレイ塗装指定部
- タミヤ エナメル フラットアルミ(筆塗り)
- 黒サフにフラットベースあらめでトップコート
気になったのがXF-19スカイグレイの指示、クルマの底面の塗装にこんな色使ってあるのかなぁ…と思ってしまいました。
タミヤは自社の塗料で近いものを選んでいるので実際のものとは違うのかもしれません。
Googleで検索してみてもコレを作った当時はあまり良い画像がなく、わずかに見えた底面の部分からはシルバーと濃いグレーしか見えませんでした。
そのため今回はフラットアルミで塗装することにして、どう見てもスカイグレイに見えない部分は最初に吹いた黒サフの上にフラットベースあらめを吹き付け飛び石傷防止の塗装風にしてみました。
ダークグレイ塗装指定部
- タミヤ エナメル メタリックグレイ(筆塗り)
シャーシ前面部はセミグロスブラックの塗装指示ですが、シャーシ中央部の塗装はダークグレイです。
ここもネットの資料を見るとマットな金属色に見えましたので、XF-63 メタリックグレイで塗装しました。
タミヤの説明書だと中央部は全面ダークグレイですが、探した実車写真だとエキパイの中間部あたりに遮熱板っぽいのがあるのでフラットアルミを併用して塗り分けることにしました。
マフラーの塗装
- 下地:ガイア サーフェイサーエヴォ ブラック
- 本体色:クレオス スーパーチタン
- 焼け部1:ガイア クリアーオレンジ
- 焼け部2:クレオス スモーク
マフラーは亜鉛メッキみたいな色をしているので、スーパーチタンを塗装後にクリアーオレンジとスモークを溶接付近や熱のこもりそうなエキパイの曲げ部分に塗装して表情付を付けてみました。
クリアーカラーは塗装直後と塗装後で色味が変わる(だいたい濃くなる)ので少しづつ吹き付けて様子を見ましょう!
シャーシ、マフラーの塗装完了
なんとか塗装完了しました。
シャーシの細かい塗分けをやりきるのは非常に大変ですが、いざ仕上がると最高ですね。
忘れずにシャーシの補強メンバー(E15)を塗装しておきましょう。
僕はシャーシ塗装に夢中で補強メンバーを塗り忘れました(笑)
以上でシャーシ塗装編は完了です!
この苦労を込めたシャーシパーツも組んでしまうと見えなくなるのがツライですが、気を強く持って進めていきましょう(笑)