前回の記事で仮組から肉抜き穴埋めとシャープ化、後ハメまでご紹介しました。
基本工作は前回までの投稿で充分なのでそのまま塗装に入っても良いですが、今回は一歩進んでディティールアップをしていきます。
安いキットは改造の練習にももってこいですね。
スジボリの彫り直し
このキットはHGUCなので基本的にモールドがあっさりぎみ。
販売されたのも結構前なのでエッジやスジボリが甘いところもゼロではありません。
たとえばバックパックと本体の境目…少しだるいので彫りなおしてみました。
HGUCはシンプルなので新たにスジボリを追加しなくても既存モールドを別パーツっぽく彫るだけでも結構効果があります。
別パーツっぽく見せる彫り込みには細目のBMCタガネ0.1mmがキレイに彫れてオススメです。
今回はほぼBMCタガネ0.1mmでスジボリしています。
高い工具ですが、その使いやすさと精度はトップクラスです。
胸部のダクトも別パーツっぽく彫りますよ。
ここは曲面なのでいきなりタガネを使っても上手く彫れません。
最初は模型用ニードルやケガキ針などを使い、曲面に乗せる程度の力でそわせるように少しずつ彫りアタリを付けていきます。
僕はクレオスのラインチゼルと廻し彫り用ニードルを使用しています。
焼き入れされた先端は鋭利かつ甘くならないのでスジボリの当たり付けなどにも大変使いやすいです。
胸部中央の出っ張りも別パーツっぽく彫ってみます。
こういうところも最初はラインチゼルの廻し彫り用で力を入れずになぞってあげるように処理すれば簡単。
とにかく力を入れないのがコツです
胴体裏側のダクトはバリがあるので、ここは超硬スクレーパーでキレイにしてあげます。
超硬スクレーパーは先端が細くとがった刃物となっていて、バリやパーティングラインを削ぐように処理できます。
さてさて加工も大詰めです。
いつもこんな感じで各部のパーツのスジボリを彫り直したりバリを取ったりしていきます。
スジボリを彫り直した部分は軽くスミイレしてあげればサフを吹かなくても仕上がり具合が分かりますよ。
地道な基本工作がクオリティアップの秘訣
なんとなくディティールアップ
尾ひれをつけました
特に元ネタやメカ考察があるわけではないですが、お尻にあるヒレのようなものを延長してみました。
1mm厚のプラ板を貼って…
整形…っと。本当に特に意味はない工作です。
ジェットパックのアンテナをシャープ化
ジェットパックにあるアンテナ?は先端がとても丸いので…
先端部のみを真鍮線に置き換え二段アンテナにしておきました。
金属パイプに丸々置き換えると細くなりすぎるのですが、このように先端部だけ真鍮線にすれば太さをキープしつつシャープな見た目にすることができます。
ビームカノンのディティールアップ
ビームカノンがただの穴だったので、コトブキヤの丸モールドIVを貼って密度アップ。
コトブキヤの丸モールドIVはかなり使えるパーツが集まっているのでおすすめです。
追加のスジボリをします
曲面を帯びたあっさりサーフェイスな本体は「スジボリを彫ってくれ」と言わんばかりなのでガシガシ彫ってあげることにします(笑)
まぁ僕スジボリあまり上手くないんですけど(笑)
前腕
写真が薄くて申し訳ないのですが、爪の基部と上のほうに彫っています。
爪のスジボリはメンテするときに開きそうな位置に、上のほうは破損した際に交換が効くような位置に彫って別パーツ感を出してみました。
適当に彫ってもいいのですが、スジボリにストーリーや設定を持たせてあげると説得力が出てきます。
意味のあるスジボリは格好もイイものです
スジボリは先ほど紹介したBMCタガネの0.1mmを、彫る際のガイドはハイキューパーツのガイドテープを使用しています。
「ハイキューのテープはくっつかない」という方がいますが、ほとんどの場合は皮脂かホコリが原因です。
スジボリ面のホコリは良く取り、テープはノリ面を触らないようピンセットで貼ってあげればしっかりくっつきますよ。
肩
肩はのっぺりしているので…
ここはZ字に彫ってみました。
どちらかというとジオンより連邦系でよく見かけるスジボリですが…まぁ練習ってことで。
いいんじゃないでしょうか?
横方向に入っているスジボリはラインチゼルの0.5mm、ナナメに入っているスジボリはタガネ0.125mmで彫っています。
HGUCクラスのキットをスジボリする場合、基本的にBMCタガネ0.1mmと0.125mmがあれば何でも彫れます!
前腕と合わせてみました。いい感じゃないでしょうか!?
胴体のスジボリ
胴体も彫りがいがありますね~!ガリガリ。
ダクトの横に三角形のスジボリを追加。(思いっきしミスって埋めて彫りなおしてますw)
頭頂部には定番の六角形スジボリを入れています。このスジボリの発端はなにか知らないのですがすごくキマりますよね~。
ちなみに今更ですが、スジボリをする場合は事前にシャーペンなどでしっかりとラインを検討をしておけば彫る前に見た目のバランスなどがつかめます。
脚のスジボリ
脚にもスジボリを入れています。が、写真を撮り忘れました(笑)
塗装の時の写真が残っているのでこちらをどうぞ。
足首にはノーマルズゴックの足のようなスジボリを追加しています。
0080のMSはファーストガンダムのMSを0080的にリファインしたところが始まりですので(0080のMSは当初はズゴックEなどの専用型式は存在せず、ズゴック0080版などと呼ばれていました)、このモールドは原作リスペクトです。
ジャバラ部の段落ち加工
今回ちょっとやってみたくて挑戦しました。
ジャバラに一段落としたモールドが入っています。これはスジボリ堂のBMCダンモというツールで彫ったものです。
BMCダンモの0.5mmを使ってジャバラ部の下端をぐるっと彫り進めます。
BMCダンモを使えばこれまで非常に加工が難しかった段落ちモールドを簡単に彫ることができます。
甲殻類感が出てるッ…!!
取り付けてみました。
段落ち部が一段増えるだけで密度感が大幅にアップします。
全部加工するのはすごく大変ですけど(笑)
脚のジャバラもやりました。
この加工で丸1日消費しています(笑)
加工完了
というわけでスジボリ&ディティールアップも完了!
これはカッコよくなりそうな予感…
次回は塗装編!
次回はいよいよ塗装に入っていきます。追加したスジボリを際立たせる塗装を施しますよ!