前回の記事はキットの仮組品を使ったレビューでした。
今回は仮組したパーツをバラして塗装に向けた作りこみをおこない、製作のポイントをまとめたいと思います。
今回はメタリック塗装をするぞ
アトランジャーのキャライメージ的に、黄色いパーツなどはゴールドなどに塗ってあげたほうがゴージャスな雰囲気になって良いかと思います。
そこで今回はゴールド、レッド、ブルーの3色はメタリックカラーを使いたいと思います。
メタリックと言えば非常に大事になるのが表面処理。
いつもなら#800のペーパーで表面処理をフィニッシュするところですが、今回はラプロスの#2400(サンドペーパー#1000相当)まで磨き込んでフィニッシュしています。
模型製作に便利なヤスリ生地をまとめておきましたのでぜひお読みください。
穂鷹アトリの製作ポイントまとめ
まずはアトリから作っていきましょう。
ABSパーツが割れないようにクリアランスを調整しよう
ABSパーツは差し込みがきついことが多く、そのまま塗装してから組むとパーツ割れや破損の原因となってしまいますので、関節の穴や軸、はめ込みのダボやピンは少し緩めに調整しておきましょう。
ABSの割れ対策の完全版とも言える記事をまとめました。これさえ読んで頂ければ割れないガールプラモが作れます(マジで)
塗装が剥げないように擦れる部分は薄肉化しよう
ガールプラモを作る際は毎回やっている工作です。
上の写真は胴体パーツですが、下の腰パーツが上の胸パーツの中に入り込む構造になっています。
プラパーツはある程度肉厚があるので、そのまま組むと常時胴体パーツが擦っているような状態になってしまい、何も対策しないまま塗装すると動かすだけで塗装が剥げてしまうことがあります。
ここは被さる側のパーツ内側を電動ルーターや超硬スクレーパーといった工具で薄肉化しておくことで塗装剥げを防げます。
僕は大まかな薄肉加工をルーターで行い、スクレーパーや紙ヤスリで仕上げています。
最近はAmazonで充電式のコードレスルーターなんてものも出ていて3000円もせずに購入可能です。
ACアダプタータイプのほうが安定した回転をしますが、模型用には少々回転が速いので充電式ルーターのバッテリーがやや落ちたくらいが地味に使いやすかったりします(笑)
アトリの後ハメ加工
アトリは挟み込みが多いですが、そのほとんどが簡単に後ハメ加工できるナイス設計です。
全部紹介しますので塗装派の方は取り入れてみてください。
太ももの後ハメ
太もものパーツに膝の黒いパーツ(タイツ?)を挟み込む構造になっていますが、ここは膝側のパーツのリブをカットすれば後ハメ可能です。
この後ハメ加工は塗装後の組み込み時に接着が必要です。
太もものパーツ裏にマジックで何か書いていますが、これはパーツ番号を書いています。
美少女プラモのパーツは微妙な左右があり間違えやすいので、いつもマーキングをして対策しています。
最終的に合わせ目消しや表面処理が終わった後、左右がわかりにくいパーツがあったらパーツの目立たないところにタガネやニードルなどで傷をつけて左右を判別できるようにしておくとグッドです。
僕は毎回左側になる部品に傷をつけるようにしています
ブーツの後ハメ
ブーツは膝側と足首側のピンをカットすれば後ハメが可能です。
このピンは外側から見えるので、後ハメ加工をした後はブーツ側の穴をエポパテや瞬間カラーパテで埋めてしまうのが手っ取り早いですが、見た目を変えたくない方はカットしたピンを取っておいて、塗装後に外側から差し込み元に戻せるようにしておくとよいかと思います。
僕は瞬間カラーパテで埋めてしまいました。
瞬間カラーパテはこのくらいの小さい穴から合わせ目消しまで大活躍しますので、ガールプラモを作る方には大変おすすめの接着剤です。
後ハメしたブーツのパーツは膝や足首のパーツを組み込む際に負担がかり合わせ目が割れやすいので、瞬間接着剤よりもプラセメントでがっちりと接着して合わせ目を消すのがおすすめです。
仮組の段階で妙にブーツのパーツに隙間が出やすいなぁ…と思っていましたが、挟み込まれる膝や足首の軸が太いのが原因でした。
ブーツを合わせ目を消し終えたら膝と足首がスムーズに差し込めるようにクリアランスを調整しておきましょう。
というワケで加工完了。
ABS関節の破損対策なども含めてほとんどのパーツに手を加えています。
上の画像には書いていませんが、太ももの合わせ目を消すと太もも横につける黄色いアーマーパーツがピタッと収まりにくくなるため、差し込み部のピンダボをしっかり調整しておきましょう。
腕
腕は脚ほどやることはありませんが丁寧に作業していきましょう。
脚と同様に関節のクリアランスはしっかりと調整します。
肩の合わせ目は処理していますが、二の腕にある軸が抜ける方向にテーパーが付いた変な形をしていて、合わせ目を消すと差し込みが少し緩くなります。ここは軸をわずかに太らすか緩いのを受け入れましょう(笑)
肩パーツに差し込む黄色のアーマーパーツはクリアランスを多めにとっておかないと組み立て時に塗装が剥げやすいので要注意(穴から肌が見えるので剥げると目立ちます)。
手首パーツはPVCでできていてパーティングライン消しがヤスリだけだとちょっと面倒ですが、ツールウォッシュを含ませた綿棒でパーティングラインを根気よく擦ってあげれば綺麗に消すことができます。
PVCは有機溶剤におかされる素材なので、その仕組みを利用してパーティングラインを溶かしてやるわけです。
ブーツの塗分け用スジボリ
アトリ最大の難関はブーツの塗分けです。
塗分けの境目もパーツの抜きの都合上少し甘いのでマスキングもしにくいです。
ここはとても手間ですが塗分けの境目をすべてスジボリしてマスキングと塗分けをしやすくしておきます。
わかりやすいようにスジボリしたパーツにサフを吹いてみました。
御覧の通り溝がピシッと入っていてマスキングがやりやすくなっています。こうしておけば最終的に塗分けラインにスミ入れも入れられるのでかなりシャープな塗分けが可能です。
左右のブーツのつま先まで含めると80カ所ほどスジボリが必要ですが、効果は抜群なので頑張って!
アトリの加工完了
ほかの部分は特に加工は必要ないのでABSの割れ対策のほかパーティングラインを丁寧に消すなどの基本工作をやって作業完了です。
なんで寝かしているのかというと後ハメ加工のせいでバラけてしまうので自立できないからです(笑)
最後にお肌を塗装するのでMr.カラーうすめ液とラプロス#2400を使って瞳の印刷と塗装を剥がしておきます。
これにてアトリの作業完了!
洗浄して乾燥させておきましょう!
アトランジャーの製作ポイントまとめ
アトランジャーはアトリほど必要な加工もなく、近代のロボットプラモデルとしてはかなり組み立てやすいです。
メタリック塗装に向けて表面処理
金色に塗るパーツは厚肉のものが多く、ヒケもややありますのでしっかりとヤスリがけして表面処理をしておきましょう。
パーツのパーティングラインも地味に目立つので超硬スクレーパーやヤスリを駆使してきれいに処理します。パーティングラインを処理し忘れた状態でメタリック塗装をするとめちゃくちゃ目立つので表面処理は頑張ろう。
ブロークンカッターの後ハメ
ブロークンカッターの持ち手の合わせ目を消す場合は白い刃側をU字に切り欠けば後ハメ可能です。
後ハメ自体は簡単ですが持ち手の合わせ目消しがすごく大変なので根気よく作業してください(笑)
パーツの段差はきれいに処理しました
アトランジャーは筒状のパーツ(腕やスネなど)が多いですが、そのまま組むと微妙な段差があります。
デザイン上あえてそうしているのかもしれませんが、段差がなくスパッと整った面であるほうがかっこいいと思ったので滑らかに処理しました。
脚パーツをいったん組み立てたあと黒いパーツと赤いパーツの段差がなくなるようにひたすらヤスリをかけます。
机の上は粉まみれ(笑)指はパンパンです(笑)
ヤスリカスは充電式の卓上掃除機があれば簡単に掃除できて便利ですぞ。
合わせ目はあえて”消さない”ぞ
アトランジャーは脚部や胴体に合わせ目が出ますが、元々パネルラインのほぼないキットのため合わせ目を消してしまうとのっぺりとしてしまいそうです。
ここはあえて合わせ目を生かす方向で作業することにしました。
パーツを普通に組み立てた状態で合わせ目にニードルを入れ、合わせ目にVカットを入れます。
ニードルはラインチゼル廻し彫り用を使いました。
ある程度隙間が広がればBMCタガネZEROに持ち替え、Vカットが均一になるよう仕上げます。
別にタガネZEROを使う必要はありませんが、切れ味がよくVカットの隙間を微調整しやすいので利用しました。
まぁどっちかというとタガネZEROを買ったはいいものの使い道があまりなく、こういうところで使っておかないともったいないからなんですけど(笑)
胴体は合わせ目を消したいところでしたが、ここは内部フレームの後ハメが難しかったので潔くVカット化しました(笑)
ちなみにアトランジャーの取扱説明書完成見本はあらゆる合わせ目が消してありません(笑)
ロボはともかくアトリの肌パーツの合わせ目くらいは消してあげてようと思ったり思わなかったり。
合わせ目を消したパーツ
結局合わせ目を消したパーツは股関節と太ももをつなぐ球体状のフレームとブロークンカッターの持ち手だけでした。
これらの合わせ目は処理しておいたほうがかっこよくなると思います。
これにてアトランジャーの作業完了!
次回は塗装編!
次回は塗装に入っていきましょう~!メタリックを駆使して可愛くカッコよく塗っちゃいますよ!
製作レビュー記事一覧はこちら
この記事から各製作記事にアクセスできます。
今回作製しているキット
今回製作しているキットはアオシマ社から発売された新シリーズ、合体アトランジャーです。
2021年10月にはバリエーションモデルのアトランジャーΩ(オメガ)も発売します。基本的に作りは同じなので製作記事は参考になると思いますよ!