前回の記事は車体の完成レビューでした。
お楽しみ頂けましたか?
今回からカウルの製作に入っていきます。
カウルの処理
まずはブチブチとカウルのパーツを切り離していきます。
上の写真ではまぁ適当な部品の扱いをしていますが、まだまだ細かいパーツが残っているので無くさないように気を付けてくださいね。
表面処理
ゲートを処理したら各パーツを丁寧にヤスリ掛けしてヒケやうねりを取っていきます。
いつもなら面倒なのでオートモデルのボディ処理といえども確認用の捨てサフは吹かない派なのですが、今回のCBRはあまりにシャープな造形と細やかなエッジなので捨てサフを吹いてからヤスリ掛けしています。
- 捨てサフ:ガイア サーフェイサーエヴォ
捨てサフ(削って除去してしまう)なのでほんのうっすら吹くだけでOKです。
あらためてサフを吹きながらパーツの表面を削っていくとパーツの削れ具合が良く分かりますね。(これからはちゃんとサフを吹こう…)
タンクは結構目立つ場所にパーティングラインが走っています。タンクの美しい形状を保ちつつパーティングラインを処理するにはやっぱり捨てサフを吹いておきたいところです。
パーツの表面処理にはWAVEのヤスリスティックソフトとゴッドハンドの神ヤス、ラプロスの2400番と4000番を適宜使い分けています。
それぞれのヤスリの使い分けはこちらの記事でまとめていますよ!
カウルの擦り合わせ
3DCAD設計の最新キットなので正直カウルの擦り合わせは必要ないかな…と思うところもありますがパーツの仮組も兼ねてチェックしておきます。
まずサイドカウルとウィングレットカウルの合いチェック。上の写真のようにカウル同士に隙間ができますがこれが正解です。(というか物理的にかならずこの隙間が発生します)
この2パーツに段差はほとんど見られませんので特に擦り合わせは必要ありません。
サイドカウルとウィングレットカウルも一旦捨てサフを吹いてからヤスリを用いて表面処理をしていきます。
カウルは割と肉厚ですが作業していて気になるほどの大きなヒケはありません。
ただプラの性質上カウルのフチがやはり盛り上がる(うねりがある)傾向があるのでヤスリスティックソフトでサフが消えるまで削って滑らかにしておきましょう。
サイドカウルとウィングレットカウルの上部です。ここは少し大きめのヒケとカウル同士のわずかな段差がみられたので滑らかに処理しました。
細かいヒケを取っておくと研ぎ出しが失敗しにくく研ぎ出しの仕上がりが一味違います。根気よく頑張って。
続いてサイドカウルとアンダーカウルの合いチェック。
ここはちょっと不自然な段差が見られたのでヤスリをかけて整えました。
写真を拡大すれば分かりますがアンダーカウルを合わせずにサイドカウルを削ったせいで、サイドカウルとアンダーカウル間で余計に不自然な段差ができてしまいプラ板を貼り直して形状修正し直しています(とほほ)
まぁそんなミスもある
形状修正をトライする方は上の写真のようにウィングレット、サイド、アンダーカウルをすべて仮組してから削り込んでくださいね(笑)
キレイにつなぐことができました。
表面処理&擦り合わせ作業完了
同様にサイドカバーやシートカウルの表面処理を行い作業完了。
カウルのフチ(パーツのエッジ)はラプロスの2400番など紙やすり2000番相当のヤスリでほんの少しだけ丸めておくと、クリアーコートと研ぎ出しでエッジを出すミスが激減できます。
あくまでほんの少しですよ
カウルの仮組
せっかく表面処理もしましたし一旦仮組しておきましょう。
まずはタンクを取り付け。
実車ではエアボックス上の配線系統にアクセスするためにタンクを開くことができるのですが、プラモデルでも同様に開閉することができます。
再現度に興奮する…
サイドカバーを取り付けます。
エアボックスカバーを被せシートカウルを組みました。
エアボックスカバーは一度ハメると外すのが大変なのでサイドカバー(A13、A14)のピンをちょっとだけ短くしました。
アッパーカウルを取り付け。ここの差し込みがやたら硬いなぁと思いましたが、接着をしてはいけない箇所なので削ってゆるゆるにしたりしないようにしてください。ゆるくするとウィングレットカウルが脱落しやすくなるので要注意。
サイドカウルを取り付け。カウルに取り付ける羽状のパーツ(B35、B36)の精度が高く塗装とクリアーコートした後にきちんとハマるのか不安になります(笑)
僕は左インナーカウル内に電装系の配線を追加したため、左サイドカウル(A4)裏と羽(B35)をリューターでペラペラに削っています。
最近は充電式のルーターなんて便利なものがございます。
アンダーカウルを組み付けます。
アンダーカウルを組み付ける前にサイドカウル後端のピンがエンジン部品のダボにしっかりハマっているか確認してくださいね。
これにて仮組完了。
毎回思うけどこの白カウル状態めっちゃかっこいいよね。
最初から心配はしていませんでしたが、やはり素晴らしい精度なので特に気になる点や組みにくいぞっと言ったところはありませんでした。
エアボックスカバーとタンクのはめ込みなんてもはや気持ちいいレベルなのでぜひ皆様にも味わってほしいところ。
各部の改修
カウルのスリットを開口
サイドカウルとエアボックスカバーにはスリット上のモールドが彫られていますがここは実車では開口となっています。
スリットの幅は1mmないくらい…頑張って彫ってみましょう!
- スリット加工する面の裏側をルーターで削り込み、向こう側が透けるくらいまで薄くします。
- クレオスのラインチゼル廻し彫り用(ニードル)で開口部のアタリをフリーハンドで付けます。
- そのアタリをなぞるように0.1mmのBMCタガネやラインチゼルで彫り込み貫通させます。
- スリットをタガネでくりぬいたらナイフやスクレーパーを使ってスリットの形状を整えます。
- 小さく折りたたんだ紙やすりで滑らかにして作業完了
ということで出来上がりました。結構キレイに仕上がっていると思いませんか?
なんとかうまくできましたがスリットが小さいので難しいです…
ラインチゼル廻し彫り用は単なるニードルですが、他のニードル系工具に比べて先端が鋭く焼き入れにより強度が高いのでスジボリのアタリ付けやこの後の工程で紹介するリベット用の穴加工に大変便利です。
ニードルは押し付けて使うことが多いので純正ホルダーを使うのがおすすめです。
続いてエアボックスカバーのスリット加工を行いましょう。
やり方は先ほどと同じですが数が多い上にスリットも狭いので難易度はサイドカウルより高めです…。
こんなの無理だよぉ…なんていいつつもチマチマ作業。
上側のスリットは幅が狭いので厚めのラインチゼル(多分0.3mmくらい)で一発抜きしました。
裏側をルーターでペラペラにするほど抜きやすくなります。
両サイドカウルとエアボックスカバーの全20箇所加工完了。
SNS上でフォロワーさんからマジかよ…と引き気味に言われてしまうマゾい加工でしたw
使った工具たちです。
左からBMCタガネ、ラインチゼル廻し彫り用、ラインチゼル(0.2~0.3mm)、超硬スクレーパーです。
BMCタガネは切れ味が良く引っかかりにくいのでパーツにスリットを抜いたりするのにも使えます。
キャラクターモデルのスジボリ専用のような工具ですが、個人的にはスケモでも必須です。
カウルのリベット下穴加工
実車のカウルの取り付けにはリベットが使われておりプラモデルでもモールドで再現されていますが、ここを金属に置き換えると大変質感が増すので塗装前にリベット取り付け用の穴加工を施しておきます。
- ラインチゼル廻し彫り用などのニードルでリベットモールドの真ん中を突きくぼみを付けます。
- そのくぼみからずれないように0.3mmのドリルで穴を開けます。
- 0.4mmのドリルで穴を広げます。
使用するリベットはアドラーズネストのリベットヘッドSサイズ(頭径0.6mm)とアドラーズネストのブラインドリベットSSサイズ(頭径1.0mm)なので、穴はどちらも0.4mmが開いていればOKです。
最初に0.3mmのドリルで穴を開ける理由は、ドリル径は細いほど下穴からずれにくいからです。
たとえ0.1mmの差でも細い方から始めるほうが失敗しにくいのでここはリスクより安全を取ります。
0.4mmの穴加工ができるドリルは精度と強度が高いタミヤの精密ドリル刃がおすすめです。
アンダーカウルの合わせ目処理
接着剤をしっかり乾かすため製作記のだいぶ早い段階で接着していたアンダーカウルですが…
実車ではパーツの分割線と同じ位置でアンダーカウルが分割されているので、合わせ目を処理した後にスジボリを彫り直し復活させました。
作業の難易度は上がりますが、合わせ目を消さないで接着するより合わせ目を消してからスジボリし直す強度が上がります。
さらにドライカーボン外装用にデカールを貼るので邪魔なリベットモールドは削り落とし、金属リベットに置き換える部分は0.4mmの下穴を開けておきました。
サフ吹きとミラーカバーの作製
工作が完了したらパーツをしっかり洗浄して一晩乾燥させサフを吹き付けます。
- ガイア サーフェイサーエヴォ
キャラプラでサフ萌えはしないタイプだけどバイクやクルマのボディだと萌えちゃう(笑)
さてさてサフはキレイに吹けましたが、まだ仕事は残っています。
そう、今回はサーキット走行仕様で作るので保安部品を外して仕上げなければいけません。
保安部品を外すだけ…だと思いますが、上の写真のようにアッパーカウルには大きなミラー取り付け用の開口があります。
ミラーを付けて仕上げる分には非常に安心で頑丈そうな開口(接着しろ)ですが、そのまま残すとめちゃくちゃおもちゃ感が残ってしまいますね。
ここはキットのミラーパーツを使用して実車でも用意されているミラーカバーを作ってみましょう。
使用するのはミラーパーツの根本部分。根元からミラーまでを切り離し薄く加工してカバーに改造します。
できあがりました。
左右を同じ厚みに仕上げるのが難しいですがノギスで厚みを測りながら頑張ってヤスリます。
ちなみに実車のカバーですが結構ポッコリしてます。(ネットで調べてみてください)
アッパーカウルのエッジに沿ってカバーにもエッジが入っているので、一旦作ったカバーにサフを吹いた後に鉛筆で当たりを取り角度を変えてヤスリをかけなおしてエッジを作ります。
カバーにつけたエッジのアタリにそってマスキングテープを貼ってからヤスリをかけるとエッジが出しやすいです。
ご覧のようにカチっとエッジが出ましたよ。
カバーのふくらみ感も実車と同じように仕上げることができました。
これにてサーキット仕様の加工と塗装の準備が完了しました。
次回はカウルの塗装とデカール貼り編
カウルの塗装一つとってもコダワリポイント満載!