前回のキット開封レビューに沢山のアクセスを頂きありがとうございます。
今回はから製作記に入っていきます。
今回も適度にコダワリ適度に気を抜き、基本工作と塗装の質感重視で攻めていきますよ!
作りながらパーツを眺めて思いましたが、今回はかなりホンダからタミヤへ資料提供があったと思われます。
2018年に発売されたYZF-R1Mもかなりの再現度でしたが、今回のパーツ造形も素晴らしいの一言です。
キットをじっくりと味わいホンダとタミヤの心意気を噛みしめながら作っていきましょう~!
エンジンの組み立て
パーツの切り出し
まずは取扱説明書5番までのパーツを切り出していきます。
この写真エンジンブロックの上面に取り付くD44が抜けてますね…すいません(笑)
タミヤのキットは昔からエンジンの造形は素晴らしくパーツ分割も良いのでホント関心してしまいますね。
ここ最近発売されたパニガーレ、H2R、YZF-R1Mでは再現されなかったダイレクトイグニッション(スパークプラグの受け、D34)までパーツ化されていてタミヤさんのコダワリが感じられますね。
マスキングテープを使って仮組してみました。
いまさら精度の高いタミヤキットで仮組は必要ないとも言えますが、仮組しておくとパーツのレイアウトなどが分かり、塗装後にどこに接着するんだろう…と悩むこともなくなります。
ま、やっておいて損はない工程ですね。
エンジンは塗分けが必要なのですが、塗装前にエンジンブロックを接着してしまうと人によっては塗り分けが難しいと感じるかもしれません。
仮組をして気になったのはそれくらいです。
上の写真はエンジンパーツD32の裏側なのですが、ヒケ対策用に肉厚を薄くするためかエグりなどの加工がすごいことになっています。
最近の3Dデジタルモデリングの賜物なのでしょうが、裏面まで見所があってよいですね。
パーツのゲート処理が済んだら先に接着してしまいます。
先ほど塗り分けが難しいかも…と書きましたが、パーツごとに塗ってから組むと接着剤のはみ出しや塗装ラインのズレにナーバスになってしまうので、僕は根性で一体から塗り分けることにしました。
ヘッドカバー(D35)とエンジンブロックの接着面に隙間ができると見た目がイマイチなのでやすりの親父という整面に強いフィルムヤスリで面出しをしておきました。
やすりの親父は下記の記事でも説明しています。
エンジンブロックの横にある黒い物体はラジコン用のオモリです。
いつも完成品を重くするためエンジン内に仕込んでます。後で紹介しますが今回も15gほどは搭載できそうです。
ちなみに僕はエンジンブロックの合わせ目は毎回処理していません。
合わせ目消しのヤスリがけで繊細なエンジンモールドを落としてしまう可能性があるからです。
特に処理しなくても塗装すると複雑なモールドに紛れてそれほど目立たないので大丈夫です。
処理が適当だと塗装時に傷が目立って合わせ目残すより汚くなっちゃいます。
キャップボルトのくぼみ加工
各カバー類にはキャップボルトが使われており、キットでもX-11クロームシルバーでの塗り分け指示があります。
ここは六角レンチが入るくぼみを作ってあげました。
- くぼみ中心のアタリ付け:GSIクレオスラインチゼル & 廻し彫り用刃物
- くぼみ加工(シルバー成型の部品):タミヤ 精密ドリル 0.4mm
- くぼみ加工(黒成型の部品):ハセガワ モデリングスクライパー
最初にボルトモールドの穴中心にラインチゼルと廻し彫り用刃でくぼみをつけます。
この作業でズレると後が失敗するので慎重に…視力がツライ方は下記のような卓上ルーペがあると便利です。
下穴があけばドリルやケガキ針で仕上げのくぼみを付けます。
彫りすぎると穴が開くのでピンバイスを回すのは3周程度に、キリコ(切りくず)は反時計回りに回して取り除きましょう。
シルバーのパーツにはタミヤのドリルを、黒いパーツにはハセガワのモデリングスクライパー(ケガキ針)を使用していますが、これはそれぞれのプラの硬さに合わせているからです。
黒いパーツは非常に柔らかいプラで、ドリルだとボルトのモールドごとえぐってしまう可能性があります。
そんな時はドリルではなくニードルを使ってぐりぐりしてあげるとキレイなくぼみが作れるのです。
シルバーのプラは硬いので普通にドリルで加工できます。
今回はタミヤの0.4mmを使いましたがセンターを上手く出せないとえぐってしまうので不安な方は0.3mmでやると良いでしょう。
ホースバンドのモールド切削
配管パーツD25、D29にはホースを留めるバンドのモールドが入っており、説明書でもX-32チタンシルバーで塗り分けの指示があります。
ここは塗分けも難しい上、実車のホースバンドはそんなに分厚くないので配管のパーティングライン処理のついでに削り落としてしまいました。
ヤスリを使って丁寧にパーティングラインとバンドを処理します。
削ったバンドは塗装後に再現するので大丈夫です。
キャップをキャップっぽく加工
パーツの抜きの都合で本来丸いパーツが楕円形になっている箇所があります。例えばC13の赤丸部は本来キャップになっています。
こういうところは気づいたら都度ナイフで丸く成型しています。見落としも多いのでやれてない所も多いですけど(笑)
これにて加工終了。塗装に入っていきましょう。
エンジンの塗装
各パーツが処理できたら塗装に入っていきます。
エンジンブロックの塗装
- シルバー色下地:ガイア サーフェイサーエヴォ ホワイト
- エンジンブロック上シルバー:ガイア ライトステンレスシルバー +ダークステンレスシルバー(1:1)
- エンジンブロック下シルバー:タミヤ ライトステンレスシルバー
- ヘッドカバー:タミヤ マイカシルバー
- ホースなど黒部:ガイア サーフェイサーエヴォ ブラック
いつも通りエンジンブロックは後で汚しの工程を入れるので、塗装は下地を白から立ち上げ明るいシルバーに仕上げておきました。
キットではチタンシルバーの使用が書かれていますが、実車のエンジンはチタンシルバー色に見えなかったのでガイアのライト&ダークステンレスシルバーを調色した色で塗り分けました。
マスキングが難しいのですが、ここはマスキングゾルを先に塗り分けの境目に塗布してからテープでマスクしています。
そのほうがテープだけより失敗しにくいです。
オイルパンの塗装
- 下地:ガイア サーフェイサーエヴォ ホワイト
- 塗装色:タミヤ フラットアルミ
ここは指定通りのフラットアルミです。
個人的にフラットアルミは白下地から立ち上げる派です。
それぞれ塗装したシルバーを比較してみましょう。
いいですね~。マイカシルバーの白下地立ち上げはちょっと白すぎる気もしますが(笑)
メタリックは下地を使い分けると色んな表情が出るので練習と経験あるのみ。
各部黒部品の塗装
- カバー、プラグなど:ガイア サーフェイサーエヴォ ブラック
- オイルフィルター:ガイア セミグロスブラック
各部カバーはセミグロスブラックの指示ですが、それだとツヤがありすぎるのでほとんど場合ガイアの黒サフを使用しています。
この製作記でも今後ガンガン出てくるのでゲット必須です(笑)
オイルフィルターは本体の色が絶妙につやありなことが多いので指示通りセミグロスブラックです。ツヤがあると後のデカール貼りで定着が良いのもメリットです。
スロットルの塗装
- 下地:ガイア サーフェイサーエヴォ ブラック
- 塗装色(本体):タミヤ メタリックグレイ
- 塗装色(黒部):ガイア サーフェイサーエヴォ ブラック(筆塗り)
スロットル部は指示通りメタリックグレイで、スロットルワイヤー受けやホース類はサーフェイサーエヴォブラックをマスキングだと手間なので筆塗で塗装しました。
これでエンジン部の塗装は終了です。仕上げていきましょう。
エンジンの仕上げ
ウォッシング処理
エンジンブロックの金属感と重厚感を付与するためにウォッシングで汚します。
エナメルの黒でウォッシングすることでエンジンの立体感が増し、エナメル溶剤の光沢感で金属光沢がアップします。
やってみてもらえば分かりますがめちゃくちゃ雰囲気が増すので僕のおすすめ作業です。
やり方はエナメルのブラックを溶剤でシャバシャバに薄めてエンジン全体に塗り、乾いたらエナメル溶剤を付けた綿棒で拭き取るだけです。
僕はいちいち薄めたブラックを用意するのが面倒なので、タミヤのスミ入れ塗料(ブラック)を愛用しています。
金属色に塗装したその他のパーツもウォッシングしてみました。どうでしょう?いい雰囲気じゃないですか?
黒でウォッシングすると金属色はワントーン暗くなります。
最初に下地をホワイトにして明るいシルバーにした理由はこの作業で暗くなることを見越しているためです。
エンジンにオモリを搭載
仮組の時に確認していました、完成品重量アップのためのオモリ入れをこのタイミングで行います。
今回ミッション部に5gを2枚、シリンダー部に5gを1枚の計15g搭載しました。
このラジコン用オモリですが、サイズが模型にも絶妙で黒塗りされているため目立ちにくく、さらに両面テープ付きで好きなところに貼れるのでバイクやカーモデルの重量アップに最適です。
色んなメーカーから出ていますが僕は都度安いものを仕入れてます。
ボルトヘッドの塗装
ちょっと工程が前後していてフレームも写っていますが…
- 下地:タミヤ エナメル ブラック 筆塗り
- 塗装色:タミヤ メッキシルバー NEXT 筆塗り
ボルトヘッドはメッキシルバーで塗装しました。
メッキシルバーを筆塗りでキラッとさせたい場合は下地にエナメルブラックを塗ると良いです
エナメルの塗料の厚みと光沢感がメッキシルバーにいいんでしょうね。
各部の配線
エンジンにはスロットル、クラッチの配線指示がありますので進めていきましょう。
と、その前に折角ダイレクトイグニッション部が再現されているので(無計画に)配線でも追加することにしました。
とりあえず配線の負荷でダイレクトイグニッションの接着が折れるのがイヤだったので、0.8mmの真鍮線で軸打ちしました。
そしてプラグコード(ダイレクトイグニッションはそう言わないけど)を配線。
タミヤのパイピングケーブル0.5mmを使用し、束ねた先はハセガワのつや消し黒フィニッシュで束ねました。
つや消し黒フィニッシュはビニールテープの質感とそっくりなので配線を束ねるのにかなり使えます。
そして配線。
キットにはビニールパイプが付属しますが、スケール的にちょっと太いのでスロットル、クラッチはタミヤのパイピングケーブル0.65mmを使用しました。
パイピングケーブルは芯線入りのコード(つまり普通の電線)なので形を付けられます。
今回はクラッチは芯線を入れたまま、スロットルとプラグコードは芯線を抜いて使用しています。
実車のクラッチのケーブルは根本がエンジンに当たらないようにするための実管となっているのでキット付属のビニールパイプを被せて一段太くしておきました。
本当はクラッチ調整用のアジャスターもついてますがそれは無視(笑)
ホースバンドの再現
先ほど削り落としたホースバンドを復活させます。
ここは0.8mmくらいの幅に切ったミラーフィニッシュを巻きつけます。
塗装では出せないキラッとした質感がワンポイントになりとてもリアルに仕上がります。
塗り分けより断然楽で速くできる上、非常に見た目も良いので個人的に絶対おすすめの作業です。
エンジン完成!
というワケでようやくエンジンのパーツが仕上がりました。
いや~一つ一つ仕上げたパーツを並べるだけで楽しいですね~。
各部のパーツを組み立てます。
組み立てはWAVEの瞬間接着剤の低粘速硬タイプを使っています。
できあがりました
これにてエンジン完成~!
まずは右サイド。いいですね~。
続いて左サイド。メタリックの質感がウォッシングで増幅されてイイ感じです。
今度は前面。搭載したら見えないので写真撮りまくりです(笑)
最後に手のひらの上で。オモリのおかげでずっしりしているのがまた良いのです。
今回はここまで!
次回はフレーム製作編
次回はフレームの製作に入ります。エンジンだけで5300字書いてしまうなんて完成までに僕は何文字書くのだろうか…