ガイアノーツさんから発売されている瞬間カラーパテという接着剤をご存知でしょうか?
当ブログのキャラクターモデルの合わせ目消しに大活躍している接着剤なのですが、使っている方が意外と少ない(気がしますので)ので、今回はそれを使った合わせ目消しをシェアしたいと思います。
結構いい接着剤ですぞ
瞬間カラーパテとは
ガイアノーツさんから発売されているいままでにない特性を持った接着剤です。
カテゴリ的にはシアノアクリレート系接着剤、いわゆる瞬間接着剤になるのですが、顔料を混ぜることで色付きになっています。
またパテの名が付く通り、通常の瞬間接着剤と比較してかなり粘度が高く、盛り付けて使ったり、1mmほどの大きさならシャープ化などの造形もこなせます。
面白いのは硬化後の硬さで、普通瞬間接着剤は硬化するとザクザクとした削り心地の硬い感じになるのですが、こちらの製品は適度に粘りと柔らかさがあり、削り心地もエポキシパテとポリパテの中間くらいの感触になります。
従来の瞬間接着剤でこの手の特性に近いものに「WAVEの黒い瞬間接着剤」がありましたが、こちらは硬化後の感触が通常の瞬間接着剤に近く、気泡も入りやすかったので、やすりをかけると気泡部が露出して穴が開きがちだったのですが、瞬間カラーパテは比較的気泡が入りにくいという特徴があります。
瞬間カラーパテの使い道
パテのような特性を持つことを利用して、合わせ目を消したり小さい穴(ガレキの気泡や肉抜き穴)を埋めたりするのに非常に重宝します。
さらに本製品はクリアーブルー、クリアーグリーン、クリアーレッド、シアン、マゼンタ、イエロー、ホワイト、ブラック、サーフェイサーグレー、フレッシュの全10色展開となっており、それらを混ぜることもできるので成型色に合わせた混色も可能となっています。
つまり塗装派でなくても本体色を揃えた合わせ目消しが可能なんです!
ということで今回はこの瞬間カラーパテを使って実際にプラモデルの合わせ目消しを紹介したいと思います。
接着できるものと合わせ目消しにおすすめのカラーパテ
接着できる材質はスチロール樹脂、ABS、ガンプラのKPS(関節プラ)と問いません。
瞬間カラーパテはポリキャップなどに使われるPEやコトブキヤ美少女プラモなどに使われているPVCやPOMにはくっつきませんが、これら材質には基本的に合わせ目が出るようなものはないですから心配しなくてOKです。
僕はプラモの合わせ目消しには瞬間カラーパテのフレッシュ色を使っています。
基本的に模型は全塗装で作り、サフを極力吹かない僕にとって、発色の邪魔になりにくいフレッシュ色が使いやすいためです。
またフレッシュ色はFAガールやメガミデバイスといった美少女系プラモの肌色にも合うので、非常にキレイに合わせ目が処理できます。
瞬間カラーパテを使った合わせ目消しのやり方
それでは作業していきましょう!
とその前に、パーツの仮組とABSパーツを接着するなら破損対策はバッチリですか?
過去記事にそれらのHowtoもまとめていますので読んでみてください!
今回はフレッシュ色を使うメリットも伝わりやすいので、コトブキヤさんから発売された「創彩少女庭園」シリーズの結城まどかの脚の合わせ目を消してみますよ。
STEP1:パーツのダボをすこし広げておく
接着する前にパーツのダボ(スナップフィットの穴)を径の近いピンバイスで少し広げて分解できるようにしておきましょう。
これは先ほども紹介した仮組テクニック記事に記載した工作と同じ作業です。
こうしておけば接着前にパーツを合わせてズレがないか確認することができますし、はめ込むときの力もいらないので接着剤がムニュっとしやすくなります。
ABSパーツなら破損もしにくくなるので一石三鳥ですよ。
加工が完了したらパーツを合わせてみて大きなズレや段差がないか確認します。
最近のキットならほぼ心配ないですが、もしズレなどがあったらこの段階でパーツにヤスリをかけてある程度滑らかにしておきましょう。
STEP2:接着面を軽くヤスる
接着剤を塗布する前に接着面の両面を#600程度のヤスリで軽く荒らしておきます。
この作業は足付けといい、接着面をヤスリで削ることで細かい傷を付け、接着剤の食いつきを良くすることができます。
特に瞬間カラーパテはなめらかな面には食いつきにくい(接着面が割れやすい)ので足付け作業は必須です。
写真で使っているヤスリはWAVEのヤスリスティックソフトの#600。適度に柔らかいので足付けからゲート処理など便利に使えます。
STEP3:瞬間カラーパテを塗る
ここでやっと瞬間カラーパテの出番です(笑)
瞬間カラーパテはボトルから出しながら塗るのは難しいので、クラフトテープなどに使いたい分だけ出すと良いでしょう。
瞬間カラーパテはクラフトテープにはくっつかないのでテープの上でカラーパテの混色も可能です。
クラフトテープには塗料も染み込まないので筆塗りする時のパレット代わりにも使えて便利です。
瞬間カラーパテは写真のように竹串などを使って接着面からできる限りはみ出さないように塗りましょう。
カラーパテはプラモデル用接着剤の合わせ目消し同様、接着面すべてに塗布します。
塗布のし忘れがあるとその部分が隙間になるので気を付けてください。
もし隙間が開いてしまっても後からカラーパテを隙間に擦り込めば大丈夫です!
竹串は100均などで売っているものでOK。
カラーパテを盛り付けていると竹串の先端部分に溜まってきて作業がしにくくなるので、作業性が悪いと思ったらバンバン新品に取り替えます。
ということでカラーパテが塗れました。
足付けは両面やりましたが、カラーパテを塗るのは片面のみでOKです。
写真のように少しふっくらするくらい多めに盛っておきましょう。
貼り合わせるまで接着剤を触らないように気を付けてくださいね。
STEP4:硬化促進剤を吹き付けてパーツを合わせる
瞬間カラーパテは瞬間と名のついているものの、そのまま完全硬化させるには非常に時間がかかり、瞬接着剤特有の白化の原因にもなりやすいです。
そこで出番なのが硬化促進剤!
硬化促進剤は吹き付ければ瞬間接着剤を一瞬で固めてくれるスプレーです。
色々売っていますが容量と値段のバランスからアルテコのスプレープライマーがおすすめです。
しかしこちらの硬化促進剤は匂いが非常にキツイ(おばあちゃんの臭いとか良く言われるw)ので、気になる方は少し高いですが低臭タイプを使いましょう。
僕は模型やりすぎて鼻が壊れているので低臭タイプは必要ないですが(笑)みんなアルテコの臭い嫌いみたいですね。
僕むしろアルテコの臭い好きなんですけど・・・
パーツを貼り合わせる前に先ほど塗布した接着剤に向かって硬化促進剤を満遍なく吹き付けます。
硬化促進剤はパーツを貼り合わせてから吹き付ける方もいますが、僕のおすすめは断然貼り合わせ前。
貼ってから吹くと内部まで硬化するのに時間がかかりますし、接着不良の原因になります。
また硬化促進剤を吹いて少し硬化しだした(20秒ほど)くらいで貼り付けると、カラーパテをムニュっとしやすくなる上、カラーパテが流れにくくなるので気泡も入りにくくなります。
スプレーを吹いたらパーツを貼り合わせましょう。
貼り合わせると上記写真のようにカラーパテがムニュっと出てきて、模型用接着剤を使った合わせ目消しの時と同じような見た目になります。
この状態になったら硬化促進剤をもう一度接着剤に吹き付けて、1~2分程度待てば硬化完了です。
硬化しているかどうか確認する場合、接着面を爪などで押してみましょう。固まっていないと接着剤が凹みます。
瞬間接着剤や瞬間カラーパテなどシアノアクリレート系接着剤は湿度の影響で劣化する性質を持つ接着剤です。
劣化すると硬化が遅くなったり、接着剤が硬くなったりしますので、硬化スプレーを吹き付けても中々固まらない…と感じたら新品に交換してください。
目安として開封してから冷蔵庫などの湿度が低い場所に保管して半年から1年程という感じです。
STEP5:接着面を削る
接着剤の乾燥を確認したらヤスリを使って接着面を削っていきます。
これは普通の合わせ目消しと同じですね。
カラーパテは普通の瞬間接着剤に比べて非常に削りやすいと感じるはずです。これこそカラーパテのメリット。
ただし、普通のプラセメントと比べると硬いので削り出しは#400くらいから始めるのがおすすめです。
ガンプラなどの平面パーツ部の合わせ目処理の場合なら、普通の合わせ目消しと同じようにヤスリの番手を上げていけばOKですが、今回のような曲面が多い美少女プラモを作る場合は、大きなムニュりを取り除いたら神ヤスなどの柔らかいヤスリで仕上げましょう。
パーツの形状崩れを防ぐことができます!
カラーパテをキレイに削ることができたら、普段の合わせ目消しと同じようにヤスリの番手を上げて仕上げていきます。
僕は塗装するので大体800番程度までヤスリをかけてフィニッシュしています。
接着面に気泡が入りス(穴)が見えてしまった場合はその穴にもう一度カラーパテを擦り込むように入れて硬化スプレーを吹いてヤスリ仕上げします。
穴が小さくてカラーパテが入らない場合はナイフなどで気泡部を少し大きくしてあげるか、通常の瞬間接着剤流し込んで埋めてあげましょう。
STEP6:接着面裏側にはみ出した部分も処理します
瞬間カラーパテをムニュっとすると裏面にもはみ出すので、パーツをよく観察して他のパーツと干渉しそうな部分にはみ出していたらナイフで処理しておきましょう。
特にガンプラや美少女系プラモのヒザ、ヒジ関節の内側などは可動パーツが干渉しやすいので良くチェックしてください。
内側は見えないのでデザインナイフなどでムニュっとした部分がなくなるくらいに削り取っておけばOKです。
合わせ目消し完了
ということで合わせ目消しができました。
消した後のパーツを消す前のパーツを見比べてみましょう。
どうでしょうか?フレッシュ色で合わせ目を消したことで接着面がほとんど目立たなくなっていることが分かりますね。
よく見るとうっすら合わせの跡が見えますが、そのまま組むより断然良い仕上がりになっていると思います。
無塗装派の方ならこの状態でつや消しスプレーやメラミンスポンジなどでつや消し仕上げしてあげれば十分かと思います。
この写真は先ほどの脚パーツの他、腕、カーディガン、靴下などもすべて合わせ目消し済みです。
カラーパテの色味が分かる部分は靴下の側面くらいですね。
そして塗装したものがこちら。
このキットの全塗装完成レビュー記事もあるので見てね。
フレッシュ色のカラーパテは色が薄いのでサフを吹いてもそのまま塗装しても発色が悪くならないのも大きなメリットです。
そのため最初に買うならやっぱりフレッシュ色がおすすめです。
カラーパテを使って作業時間を節約しよう
カラーパテを使う最大のメリットは接着作業時間の短縮です。
作業時間の取れないモデラーや早く模型を完成させたいモデラーさんにもおすすめですので、一度使ってみてください。
その他のお役立ち記事
今回合わせ目消しにいろいろなヤスリを使いましたが、この記事に模型に使えるおすすめヤスリをまとめています。
今回紹介した瞬間カラーパテ以外にも使える接着剤はたくさん!便利な模型用接着剤をこちらの記事でまとめています。
瞬間カラーパテに関わらず瞬間接着剤は実は寿命が短いんです。寿命の話と長持ちする保管方法をまとめました。